第33話
夜中のお菓子
望は、他には何も質問してこなかった。
その代わり…
私のお腹に顔を埋めて、少しだけ泣いていた。
私は、そんな望の頭を撫でることしか出来なくて…
" ずっと隠してて、、ごめんね… "
と、心で何度も繰り返した。
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珍しく上機嫌なご帰宅後の淳太。
そう言いながら、アマ~い香りと、ツンとしたお酒の匂いを漂わせ、
隣のシンクで、お水を1杯 飲んだ。
日付が変わっても、眠れなかった私。
なんか、、モヤモヤしてて…
こんな時間だけど、気晴らしになりそうなコトをしたくて…
前はよく作っていた、趣味のお菓子作りを始めた。
卵白が入ったボウルを片手で支え、ハンドミキサーにスイッチを入れた。
ウィ~~~~~~~ンっ!!!
しばらく 隣で見ていた淳太が、
いきなり後ろから、、、ハグをしてきたっ💦
その反動で、ミキサーを持っていた手が傾き、
辺りにメレンゲが、飛び散った!!!
そう言って、後ろから私の手の上に、淳太の手のひらが重なってきた//
同じ… 匂いって…
どういう意味?
メレンゲが完成するまで、私は言葉を無くしたかのように、
淳太の手のひらに、従っていた。
カチカチカチッ…
ミキサーを止めると、淳太は私から離れ、うしろのテーブルに寄りかかった。
私に視線を充て、ドヤ顔を決める淳太が、
なんだか怖かった…
,
,
,
私は、その なんとも大人な世界に、
絵も知れぬ感覚を覚えた。
それって…
なんか… 複雑だよぉ💦