私は造られた…?
でも、あなたとしての記憶はあるのに…
ガチャ
妙に落ち着き払った勝利君をしばし、ぼーっと見ていた…
それを合図に勝利君は私の知らない話をし出した
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3年前
俺には大切な幼馴染がいる。
俺はこいつが好きだった。
だけど、こいつの好きな人は俺が一番知っていた。
それに、こいつが助かる可能性の低い病気だった事もこいつがどんなに苦しんでいるかも俺が一番知っているつもりだった。
ほんとは用事なんてないけど。
この羽生結弦があなたの好きな人。
であり、彼氏。
俺らの一個上の羽生くんは、俺よりも本当に落ち着いていてカッコいい。
だけどさ、俺にも機会があれば
って何度も思って
結局やめた。
あなたの病気は確実に悪くなっていた
それと同時に助かる確率もどんどん下がっていった…
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もう俺も羽生君も
言葉にならない…ただ泣いていた。
これがあなたの最後の言葉だった。
お父さんがついたときは
あなたは…
少し微笑んで…そのあと静かに息を引き取った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。