そこには死んだはずの見慣れた相棒が立っていた。
夏だと言うのに少し大きい長袖のパーカーを来ていて、ジーパンを履いている。
俺は何度も何度も目を擦る。
間違い無い、じんたんだ。
俺はじんたんの元へ走っていく。
そして思いっ切り抱きついた。
俺は必死に堪えていた涙をボロボロと零す。
じんたんが返ってきた。
いつものように、元気な姿で。
あの時のまんま。
毎日本当に辛かった。
じんたんがいない世界はまるで色が褪せてしまったような感覚だった。
でも、でも…もう1度、俺の元へ帰ってきてくれたじんたん。
嬉しいのこの上ない。
お盆の間って…
たったの3日しかないじゃないか。
そんな短い間でやり残したことなんて終わるのだろうか…
俺がじんたんにかけられる言葉はそれくらいしかなかった。
じんたんとの短い3日間が始まった。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
俺はじんたんに聞いた。
すると
確かに、みやは俺たちを巡り合わせてくれた大切な親友だ。
すぐに了承して、みやの家へ向かった。
ピンポーン…
チャイムを鳴らすと、みやはすぐ出てきた。
みやの細い目は、これ以上ないくらいに見開かれたと思ったら、すぐに細くなり、大量の涙を流しながらじんたんに抱きついた。
みやは号泣していた。
じんたんはみやの頭を撫でながら目を赤くしていた。
2人は固く抱きしめ合い、最後の言葉を交わした。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
次に、じんたんの両親の元へ行った。
俺の後ろからひょっこり現れたじんたん。
じんママは驚いたあと、よろよろとじんたんへ近づいていく。
じんママはその場に泣き崩れた。
じんたんは背中を擦りながら優しく言う。
じんママは頷きながら、涙を流していた。
✌🐎🐇✌🐎🐇✌
じんたんは軽い足取りで歩いている。
みや、じんママ以外にも沢山の人へ感謝の気持ちを伝えに行った。
じんたんが思いっきり夕暮れの空にピースをする。
俺はそれを見てあの頃の懐かしさ、そして胸苦しさを覚えた。
じんたん、俺、辛いよ。
あと3日経ったら消えちゃうんでしょ?
俺、耐えられるかな?
俺はそう呟いて、空にピースを掲げた。
じんたんとの時間、あと2日。
……To be continued
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。