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第1話

『 コオリとオフショル 』
210
2019/05/22 02:14
『コオリとオフショル』

☆1☆



「なぁ?なに食べとるん?」



ふたりで帰ってきた部屋が暑くて、
「クーラー早よきけぇ〜」ってサーキュレーターに顔を近づけてる流星が、聞いてきた。



「フェ?…ヲヲヒメノホホウィ…」



冷凍庫を閉めながら そう答え、溶けた雫が滴りそうなのを、慌てて “じゅるっ!” っとした私。


堪らず ガリッ!っと噛んだら、秒で無くなる。


もう一つ、大きめの氷を頬張って、流星がダラけてるソファーへ、無理やり座った。



「俺にも ちょうだい?」


仰向けでサーキュレーターを抱え込み、私の顔も見ずにおねだりする。


「自分で取ってきなよ〜」


小さくなっていく氷を惜しみながら、流星の長い足を肘掛けにして、私も暑さにダラける。


☆2☆


そんな私に観念したのか、急に動き出すから、私の肘は支えを無くして、だらん…っとソファーに落ちた。




「……ちゃうわ…」



と、背もたれ沿いに私の肩へと周った流星の腕が…

アゴを軽く すくわれた瞬間に、丁度よくウナジに沿う…



そして私は、一瞬で流星のペースに呑み込まれる。



冷えた私の唇をテリトリーに収めると、その根源を奪っていった。



ガリッ!



「もぉ〜私の氷…」
「ふっw いただきw」



そう言って右の口角だけ上げ、去って行く。

丁度よかった腕が無くなり、頭がストンっと背もたれに落ちた。



奪われて分かる尊さ。



「りゅぅ〜せぇ〜〜私のもぉぉぉ〜〜」


足をバタつかせ おねだりすると、


「ヒャッ!!!」


☆3☆



「ヒャッ!!!」



後ろから、私の首筋に触れた氷。

それを流星が、頬張った。



「ふふっw お前の味…」


ニヤけながら そんな風に言う流星が、私は好き♡


だってほら…
また流星のペースに呑み込まれるのが分かるから。


簡単に背もたれをまたぐと、
簡単にまた私のテリトリーに入って…


「持ってきて やったよ?」


頬張った氷を餌に、私を釣る。


「ふふっw ありがとうw」


私の気に許されたのを確認すると、氷をチラつかせながら、私の身体を、思いのままに押し倒した。


☆4☆


私の欲求が、そんな流星の首に手を回し、優しく引き寄せた。


艶めかしく私の唇を冷やした その氷は…


ふたたび 流星の唇を冷やす。


そしてその氷は そのまま、首すじを滑り 冷やすと…


雫になり、滴る感触。



それは、くぼみに溜まり…





“じゅるっ!”





「オフショル最高w」



「ふふっw キライって言ってたくせにw」



「お前となら、何でも最高やのw」







私も氷もオフショルも…






流星のペースに呑み込まれていった♡






☆fin.☆


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