俺は引き止めるテオくんの声を無視して家を飛び出した
遡ること30分前…
テオくんはさっきからTikTokでかわいい女の子を見てるみたい、
さっきからずっとこの調子。
俺が素っ気なくしてるの分からないのかな…
俺はテオくんにもわかるようにため息をついてソファを立った
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そして今の状況に至るわけだ。
俺は泣きながら必死に走った。
何も変装なんかしてきてないけどこんな顔ぐちゃぐちゃで必死に走ってる俺をスカイピースの"じんたん"だなんて気づく人はいないだろう。
今の俺には嫉妬心しかない…
あんなこと吐き捨てて許してもらえるだろうか。
自分で突き放したのに今更寂しくなる
運動音痴の癖に全力ダッシュをして苦しいのか、悲しくてなのか分からないが涙が止まらない
悲しみにふけり、どうしようもなくなった俺は外に出て何時間経っただろうか…
明るかった空は暗くなっていた…
背後に気配を感じ振り返ろうとしたその時…
顔は見えないが大きな男に羽交い締めにされてる…?!
俺の前にも見覚えのない男がにやにやしながら2人立っている
思い出してまた涙が溢れそうになる
なんで男相手にナンパすんだよ…
自暴自棄になっていた俺はもうどうでもよかった、どうにでもなればいい…
べチンッ!
俺は何が起こったか分からなかったが頬に痛みが走った、平手打ちされた…?
今度はムチ…?
俺は何を考えていたのか、
すぐさま逃げろと本能が言っていた…
だが相手は3人。
俺は運動音痴で走るのも遅い、
こんなのじゃ逃げ切れるわけもない、諦めるしかないのか…
こんな時にテオくんの笑顔が思い浮かぶ、
なんでこんな時にっ…!
俺はまた涙目になる、
男はにやけながら言った
その不敵な笑みに背筋がゾクリと震えた…
男は俺の顎と後頭部を抑え、キスを迫る、
いやだっ…
テオくん以外となんてしたくないっ…!
来るはずもないが咄嗟に出た言葉はこれだった
俺に迫っていた男は横っ腹を抱えて倒れ込んだ
ぎゅっとつぶっていた目を開けて声のした方を見ると怖い顔をしたテオくんが立っていた
あの男に一発蹴りを入れたのはテオくんだった…
テオくんはいつもより低い声で言い放った
そう言って男はテオくんを殴ろうとするがテオくんの方が速く、男は1発で倒れた
男は残りの2人にそう言った
二人同時にかかってくるがテオくんには傷一つつけられず、テオくんの圧勝だった
そう言って男達はどこかへ去っていった
そういうテオくんは先程の怖いテオくんではなく、いつも通りに戻っていた
俺はテオくんの顔を見て安心したのか先程とはまた違った涙が止まらなくなった
そう言いながらテオくんは俺をきつく抱きしめてくれた
俺はコクリと頷いた
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俺は家に着いても何をする気にもなれず、恐怖心がまだ抜けないのか、ただぼーっとしていた
ねぇじんたん、殴られたりされてない?
痛いとこない?
俺は俯いて言った
思い出すとまた恐怖心が込み上げてくる
それを察してか俺を優しく抱きしめて頭を撫でてくれる
痣ができた顔にそっとキスをしてきた
辛そうな顔で言うテオくんをもう一度抱きしめ直した。
俺は恥ずかしくなって小声になってしまう
しっかりと言い切ってやさしいキスを何度もしてくれた…
優しくソファに押し倒してテオくんは言う
テオくんは俺のシャツをたくしあげてそーっと指を這わせた
俺が言った途端テオくんは俺の体中にキスをしながら舐め始めた
上目遣いでそんなに弱々しそうに言われたら断れない…
全身舐められておかしくなりそう…
気が済んのだか離れたかと思ったら首元に痛みが走った
ふ俺2人でいられることに改めて幸せを感じ、抱きついた
2人は激しい夜を過ごしました…
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じんたんが誘拐されちゃうという少し喧嘩っぽいシーンも交えて書いてみました。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!