第4話

嫉妬
1,360
2019/05/14 23:43
じんたん
もういいよっ…!
テオくんなんか知らない!
テオくん
ちょっ…じんたん!
俺は引き止めるテオくんの声を無視して家を飛び出した
遡ること30分前…
テオくん
この子ほんっとに可愛くない?
やばいんだけど!
じんたん
うん、かわいいー
テオくんはさっきからTikTokでかわいい女の子を見てるみたい、
テオくん
あーこの見えそうで見えないのがいいなぁw
テオくん
ねぇ?じんたん
じんたん
うん、これはやばいねー
さっきからずっとこの調子。
俺が素っ気なくしてるの分からないのかな…
テオくん
あぁーこの子好きだなぁ〜w
テオくん
じんたんこの子どう?
じんたん
はぁ…
俺はテオくんにもわかるようにため息をついてソファを立った
テオくん
どうしたのじんたんw
じんたんも可愛い子見たらテンション上がるかもよ?w
じんたん
…には…オく…しか…ねぇよ
テオくん
ん?
じんたん
俺にはテオくんしかいないって…!
じんたん
さっきから黙って聞いてれば…
もういいよ!知らないっ!
テオくん
ちょっ、じんたん…!
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そして今の状況に至るわけだ。
俺は泣きながら必死に走った。
何も変装なんかしてきてないけどこんな顔ぐちゃぐちゃで必死に走ってる俺をスカイピースの"じんたん"だなんて気づく人はいないだろう。
今の俺には嫉妬心しかない…
あんなこと吐き捨てて許してもらえるだろうか。
自分で突き放したのに今更寂しくなる
運動音痴の癖に全力ダッシュをして苦しいのか、悲しくてなのか分からないが涙が止まらない
じんたん
はぁっ…ふ…うぅ…っ
じんたん
なんでっ…なんで俺はっ…男なんかに産まれてきたんだよ…!!
女だったらテオくんにっ…愛してもらえたのかな…?
悲しみにふけり、どうしようもなくなった俺は外に出て何時間経っただろうか…
明るかった空は暗くなっていた…
背後に気配を感じ振り返ろうとしたその時…
じんたん
うわぁっ、!
顔は見えないが大きな男に羽交い締めにされてる…?!
クラスメイト
どうしたのー?泣いちゃってw
彼女と喧嘩でもしたー?w
俺の前にも見覚えのない男がにやにやしながら2人立っている
じんたん
まぁ、そんなとこですかね…
思い出してまた涙が溢れそうになる
クラスメイト
ふーん。俺ら男でもいけちゃうんだけど、ちょっと相手してよw
君なんか可愛いしw
なんで男相手にナンパすんだよ…
自暴自棄になっていた俺はもうどうでもよかった、どうにでもなればいい…
じんたん
いいっすよ…
もう…
クラスメイト
へーいいじゃーんこの兄ちゃんw
でもさぁせっかくなんだからもうちょっと可愛い顔してよw
そんな暗ーいかおしてないで、さっ!!
べチンッ!
俺は何が起こったか分からなかったが頬に痛みが走った、平手打ちされた…?
クラスメイト
ふふっ…w
もっと可愛い声で鳴いてもらわないとなぁw
じんたん
うぁっ…!
今度はムチ…?
俺は何を考えていたのか、
すぐさま逃げろと本能が言っていた…
だが相手は3人。
俺は運動音痴で走るのも遅い、
こんなのじゃ逃げ切れるわけもない、諦めるしかないのか…
こんな時にテオくんの笑顔が思い浮かぶ、
なんでこんな時にっ…!
俺はまた涙目になる、
クラスメイト
そーんなに痛かったぁー?w
ごめんねぇ、次は気持ちよくしてあげる…
男はにやけながら言った



その不敵な笑みに背筋がゾクリと震えた…
クラスメイト
まずはここからいただいちゃおうかなぁ…w
男は俺の顎と後頭部を抑え、キスを迫る、
いやだっ…
テオくん以外となんてしたくないっ…!
じんたん
やっ、やだ…!!
テオくんっっ…!!
来るはずもないが咄嗟に出た言葉はこれだった
クラスメイト
テオくん…?
かわいこちゃんを泣かせたやつかぁ…?
どんなツラか見てみてぇ…うっ!!
俺に迫っていた男は横っ腹を抱えて倒れ込んだ
テオくん
俺のツラがなんだよ…
ぎゅっとつぶっていた目を開けて声のした方を見ると怖い顔をしたテオくんが立っていた


あの男に一発蹴りを入れたのはテオくんだった…
じんたん
テオくんっ…!
クラスメイト
何なんだよてめぇ、
テオくん
何なんだよってこいつの彼氏だけど?
テオくんはいつもより低い声で言い放った
クラスメイト
彼氏…?w
笑わせんじゃねえよw
お前らそういう関係かよ気持ちわりぃw
クラスメイト
くたばれよ…
そう言って男はテオくんを殴ろうとするがテオくんの方が速く、男は1発で倒れた
クラスメイト
くそっ…舐めやがって…
お前ら、やれ…
男は残りの2人にそう言った
二人同時にかかってくるがテオくんには傷一つつけられず、テオくんの圧勝だった
テオくん
人のに手ぇ出したらこうなんだよ…
よく覚えとけ…
クラスメイト
くそが…!
今日んとこはズラかるぞ…
そう言って男達はどこかへ去っていった
テオくん
じんたん!大丈夫?!
なんかされた?痛いとこない?
そういうテオくんは先程の怖いテオくんではなく、いつも通りに戻っていた
じんたん
テオくんっ…!
うっうう…ごめん…なさいっ…!
俺はテオくんの顔を見て安心したのか先程とはまた違った涙が止まらなくなった
テオくん
じんたんが謝ることじゃないよ…
テオくん
ごめんねじんたん…
遅くなって…
テオくん
震えてる…
怖かったよね…ごめんっ…!
そう言いながらテオくんは俺をきつく抱きしめてくれた
じんたん
うっ怖かっ…たっ…
テオくんがっ…来てくれると…思わなくてっ…うぅ…っ
テオくん
じんたんの帰りがあまりに遅いから…
俺が悪いよね、ごめん…
お家に帰ろっか、
俺はコクリと頷いた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺は家に着いても何をする気にもなれず、恐怖心がまだ抜けないのか、ただぼーっとしていた
テオくん
じんたん…?
大丈夫…?
じんたん
えっ、あ、うん…
ねぇじんたん、殴られたりされてない?
痛いとこない?
じんたん
少し…
俺は俯いて言った

思い出すとまた恐怖心が込み上げてくる
それを察してか俺を優しく抱きしめて頭を撫でてくれる
テオくん
あっ、痣がある…
テオくん
これあいつらが…?
じんたん
うん…たぶん…
じんたん
ひゃっ…
痣ができた顔にそっとキスをしてきた
テオくん
ごめんねじんたん俺のせいで…
じんたんを傷つけやがってあいつら…
もっとしめときゃよかった…!
辛そうな顔で言うテオくんをもう一度抱きしめ直した。
じんたん
俺はテオくんが助けに来てくれただけでいいよ…
俺も勝手な行動してごめん…
しっ…と…してたんだ…
俺は恥ずかしくなって小声になってしまう
テオくん
じんたんは悪くない…!
何があったって俺の中の1番はじんたんだよ…
絶対に…
こんなに大好きなんだから…!
しっかりと言い切ってやさしいキスを何度もしてくれた…
テオくん
じんたん…
まだ、怖い…?
優しくソファに押し倒してテオくんは言う
じんたん
ううん…
テオくんなら大丈夫…
テオくん
じゃあ、あいつらに触られたとこ全部教えて?
俺が消毒しないと気が済まない。
じんたん
どこって言われても体全体とか顔とか…
ってちょっ、何してっ…
テオくんは俺のシャツをたくしあげてそーっと指を這わせた
テオくん
体って胸も?お腹も?
じんたん
そうっ…だけどっ…
んんっ…!
俺が言った途端テオくんは俺の体中にキスをしながら舐め始めた
じんたん
テオくんっ…
それはっ…あぁ…だめっ…!
テオくん
あいつらに触られたままでなんて俺が嫌なの、
ちょっとだけ我慢して…?
上目遣いでそんなに弱々しそうに言われたら断れない…
じんたん
わかったけどっ…
ゆっくりっ…してっ…!
全身舐められておかしくなりそう…
気が済んのだか離れたかと思ったら首元に痛みが走った
じんたん
ぃったぁっ…
テオくん
俺のって印つけといたから、
じんたん
うん…大好き…
ふ俺2人でいられることに改めて幸せを感じ、抱きついた
テオくん
可愛いなぁ…、
ねぇ…してもいい…?
じんたん
いいよ…
全部忘れるくらい激しくして…?
テオくん
もう…
今日は寝かせないから…






2人は激しい夜を過ごしました…
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じんたんが誘拐されちゃうという少し喧嘩っぽいシーンも交えて書いてみました。
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