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私達は、ちょうど休憩をしていたゆきりんさんに時間をいただき、お話をさせてもらえることになった。
私達は、頭を下げる。
けれど、ゆきりんさんから返ってきた返答は…。
ゆきりんさんは、いつもからは想像出来ないほどに冷たい声で言った。
バタンッと閉じられた扉の向こうでは、また音楽が流れ始めた。
私達は、下を向いて立ち尽くすしかないのか…。
『そんな事ない!』そう言いたかった。
でも…言えなかった。
喉に何か棘のようなものが刺さったような…そんな感覚だった。
声が出なかった。
なんでこんな事ばっかり…。
なんで…こんな…。
突然後ろから声がした。
振り返ってみると…真っ黒な少女がいた。
真っ黒な少女は、ずっとクスクス笑っている。
何この子…気味が悪い。
得体の知れない嫌悪感に襲われた。
みぞれちゃんが、耳を塞いでしゃがみこむ。
真っ黒な少女が私たちに触れようとした瞬間…!
青い光が目の前に飛び出した。
目をゆっくりと開く。
そこには、地下の神殿で出会った少女がいた。
バッと振り向いた少女に怒鳴られた。
目の前で何が起こってるか分からない私達は、突然の出来事にポカーンとしてしまっている。
真っ黒な少女は、ニヤリと笑ってそのまま消えていった。
目の前には、青い少女が居る。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。