楽屋を飛び出した優子は、公園に来た。
優ちゃん‥はぁ‥やっぱり足速いねー
にゃんにゃん‥
こじはるは一度見失ったものの、優子の居場所を突き止めやってきた。
さすがだね。にゃんにゃん。
えへへ〜!付き合い長いもんねー。
分かっちゃうよ。優ちゃんのことなら…何でも。
ははっ!さすが…幼なじみ…だね…。
そう。優子とこじはるは昔からの幼なじみなのだ。
泣いている優子の背中をそっと撫でるこじはる。
そんなこじはるに優子は自分の想いを打ち明ける。
私ね…前田敦子って存在に憧れて00に入ったんだ
うん。知ってるよ。
襲名メンバーに前田敦子がいるって分かった時…嬉しかったぁ…。
私は、前田敦子になりたかった訳じゃないんだ。
ただ…前田敦子の特別な存在になりたかった…。
だからね、00に姉妹制度があるってわかった時『これだ!』って思ったの。
これで、あっちゃんに妹にしてもらえれば私はあっちゃんの特別になれるって。
…うん。
だから、あっちゃんに沢山アピールした。
でも、なかなか声はかけてもらえなかった。
他の先輩からね、私声掛けられてたんだ。妹にならない?って。でも、私断り続けた。
だって、私はあっちゃんの妹になりたかったから。
すごく有難いことにね、本当に沢山の先輩が私に声をかけてくれた。でも、あっちゃんは…あっちゃんだけは声をかけてくれなかった。
だから、私からお願いに行ったの。
妹にしてくださいって!
でも…断られた。
だから、ずっとお願いしに行ってたの。あっちゃんの元へ。
そしたら…あっちゃんに言われた。
『どんなにお願いされても私はあなたを妹にはしない。あなたを育てたいと思わない。』って。
この言葉だけは…一生忘れないと思う。
それくらい大きなダメージだったんだよね。
…そんなことがあったんだ…
そう。
もう大ショックでさ…w忘れたくてレッスンや仕事に打ち込んだ。倒れる限界まで。
そしたら、私が倒れたのは襲名熱だって言われて、『あぁ。私襲名するんだ』って。
誰の名を襲名するか聞いたら、大島優子だって言われてびっくりしたよ。
私、大島優子になれるんだ!って。歴代の前田敦子と大島優子って、ライバルであり、仲間である。って感じだったじゃん?
だから、私は大島優子としてあっちゃんの『特別』になれるって思ってめっちゃ喜んだ。
うん……。
でも、結局私はあっちゃんの特別にはなれなかったみたい…。
握手会で、あっちゃんがあなたの事を笑顔で話していた時…すごく嫌な予感がした。
当たっちゃったんだ…。私の嫌な予感…。
ほんと最悪…w
優ちゃん……。
ねぇ…にゃんにゃん?
ん〜?
私の何がいけなかったのかなぁ?
優子はこじはるの方を振り返り、ボロボロと大粒の涙を流した。
こじはるは、優子をぎゅーっと抱きしめた。
こんなになるまで1人で溜め込んで…。
うぅ…ひっく…うぅ…
大丈夫だよ。優ちゃん。
にゃん…にゃん…うぅ…
私が傍にいるからね…
うぅ…うぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ…
………。
優子は、涙が枯れるまでこじはるの腕の中で泣き続けた。
こじはるは、優子が泣き止むまでゆーっくりと背中をさすり続けた。
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