第2話

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2020/11/07 02:59
コツコツコツ
背は俺と同じくらい。いつも喪服。サングラスをかけている。

またあの人が来た。















あの人はよくここに来る。そして何かつぶやいて帰っていく。煙草を置いてった事もあったな。
俺は萩原研二。爆発物処理班に居たんだけど爆弾の解体が間に合わなくて死んじまった。
今は自分の墓でのんびりしている。前はあんなに忙しかったのにな。
ボーっとしていると偶に何か大事なものを忘れているような感じになる。気のせいだと思ってもやっぱり何かひっかかる。両親や親戚は覚えてる。自分の家も。友達…忘れてるのは「友達」か?だが,降谷も伊達も諸伏も覚えてる。一体何を…



松田陣平
松田陣平
よぉ萩原
故 萩原研二
故 萩原研二
松田陣平
松田陣平
お前h□□□□□…□□□□□□□□□。
故 萩原研二
故 萩原研二
何故だろう。いつもそうだ。最初の言葉はハッキリと聞こえるのに段々聞こえなくなっていく。
松田陣平
松田陣平
□□□□□□□□…□□□□□□…
松田陣平
松田陣平
□□□□□□。
俺とこの人の関係を知りたいのに声が聞こえない。
松田陣平
松田陣平
□□□…
故 萩原研二
故 萩原研二
あ…
帰ってしまった。微かに聞こえた声は何だか懐かしい。でも誰だか分からない。そんな日が続いた。


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