第13話

遺書で思った僕の気持ち
5,123
2020/09/02 00:10
〜まふまふside〜

冒頭を読んだとき、これが本当に遺書なんだと思った

そして、あなたの字にあなたらしい言葉

本当にあなたの物なんだ…と思った


僕のことが書かれている

うん、照れるw

音楽の才能なんてないよ

人を笑顔にするのが僕の仕事だからね


そう、僕の不注意によってあなたが生放送に出てきてしまったこと

彼女疑惑をかけられてしまったこと

でも、ネット上にあなたの声と後ろ姿が上がったって何?

僕、聞いてないよ??

なんでっ……


気づいてた

あなたを気に入らない方がいることに
受け入れて下さらない方がいることに


でも、僕は……

気づいてたのに何も出来ていなかった

逆に心配かけてしまっていた…


え??

顔? 職場? 出身校? 本名? 住所?

え……??

なんで…?

なんで??

なんで!?


あなたは何も言っていなかった

そんなの知らない……

相談さえしてくれなかった


…だから、会社を辞めたの?


なんで殺害予告された場所に行ったの?

苦しかったから??

ねぇ……

相談してよっ…


どうして言ってくれなかったの?


僕はここまで予想してたはずだ…


僕にさえ言ってくれれば……


どれほど良かったか…



ここまで読み、ぐしゃりと1枚目を強く握った

手紙… 遺書はまだ続いていた



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お父さん、今までありがとう

花嫁姿見せてあげられなくてごめんね


お母さん、産んでくれてありがとう

まだ、たくさん話をしたかったなぁ…


お兄ちゃん、優しくしてくれてありがとう

お義姉ちゃんといつまでも仲良く、幸せにね


真冬、たくさんありがとう

歌い手は絶対続けてね

真冬の歌声を空の上でも聞かせてね

そして、世界中の人にまふまふの声を届けて、
元気を与えてね

そらるさんと仲良くね

最後に真冬のせいじゃないからね


相川家に生まれて幸せでした

ここまで育ててくれてありがとう

またいつか、どこかで

相川 あなた


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滲む瞳を懸命に耐え、僕は呼吸を整えた


最後を読むときは声を上げて泣いた


涙で文は読めないし、手の震えが収まる気配がしない


何度も… 何度も、指で筆跡を撫でる

愛おしく… 愛おしく…


“真冬のせいじゃない”なんて言葉は気休めにしかならず、結局あなたを傷つけたのは僕なんだと自責の念に駆られた

相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
あああああ!!!


自分の歌い手という職業を忘れ、喉を酷使
(こくし)する

どれだけ叫んでも、涙を流してもあなたは帰ってこない

そんなことは分かっているのに…

心では分かっているのに…

止まらない

声にならない声を出して、君の名前を呟いていた