第4話

生きている時間
7,480
2020/07/31 07:41
前話の続きです
僕の生放送にあなたが写って、個人情報などが特定されて、Twitterもバレた時のこと

彼女のTwitterのDMには数えきれない程の酷い言葉が送られていた。

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「まふくんに近づくな」
「本当に妹なのかよ」
「妹だからって調子に乗るなよ」
「早く、消えろよ」
「死ね」

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など、まだまだたくさん

でも彼女は前を向いていた

僕ならこの時点でもう無理だったと思う

もう、心なんてグダグダに折れていたと思う

なのにあなたは1人で
“こんなたくさんの辛い言葉に耐えていたのだ”
と思うと、兄としても、人としてもゾッとする

兄として、人としてあなたに起こっていたことを早くわかっていたら、
あんな事にはならなかったのかもしれない…

















〜あなたside〜
あなた

え…?

突然、私のDMにこんなメールが届いた。

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「まふくんに近づくな」
「消えろ」
「死ね」

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最初は訳が分からなかった

真冬の放送に出たのは確かだ。

でも、私のTwitterはバレてないはず…

どうして?

このとき、私は見て見ぬふりをした

だけど、日に日に増えていくDMの悪口

少し、気になって“まふまふの妹”で検索したんだ
それが自分に悪影響を与えてしまったのかもしれない

たくさんのアンチの数、自分の個人情報や家、職場、出身校などが特定されていた

あぁ、もう嫌だ
でも、私より真冬の方が辛いはず
私が元気でいなきゃ…















昨日も、DMで殺害予告が来た

こんなの初めてだ

まるで、ドラマみたいだ
あぁ、今の出来事全てがドラマのフィクションだったらいいのに…

ねぇ、死ねば辛くないのかな…
真冬も苦しまないで済むのかな…
だったら私は…














殺害予告日まで、あとちょうど1ヶ月


私はあと1ヶ月を何して過ごそう








ゲームしたり、楽器を弾いたり、歌ったり自由なことをしていた

会社も辞めた
だって、先輩にまふまふリスナーさんがいたから
いじめを受けたから

会社を辞めて、自由な日々を過ごす








さて、あと1週間何して過ごそう








そうだ

死ぬ前に家の掃除をしよう
家の物を整理整頓して、綺麗にしとこう

何年もここに住んで、ここから会社に向かったりした思い出の場所だ

死んだ後、誰も掃除をしないと思うから埃はたくさんつくだろうけれど、死ぬ前、最後に部屋を掃除しよう


ついでに遺書を書こう






よし、遺書は完成と…

部屋もスッキリして遺書も書いて、
あとやるべき事はないだろう









でも1つだけ…

1つだけ気になっていることがある


それはもちろん、真冬のこと

真冬は“自分のせいで”とか思ってしまうかもしれない

いや、絶対思ってしまう…

もしかすると、歌い手を辞めてしまうかもしれない

あなたの声は世界中の人の心に響くのに…

辞めてしまったら絶対ダメだ

彼は歌い手としてもまふまふとしても続けて貰わなきゃこっちが困る



そうだ、最後は真冬に会いに行こう

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