第16話

『もう一度君に会いたい』
5,296
2020/09/05 09:54

〜まふまふside〜


某所(ボウショ)


某ドーム____
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
みんな、ありがとう
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
次は僕の妹に向けた曲です
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
僕には妹がいます
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
いえ、いました…
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
そんな妹に向けて作った曲です
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
では、聞いてください
相川 真冬(まふまふ)
相川 真冬(まふまふ)
『もう一度君に会いたい』

僕がそう言うと、歓声の拍手が巻き起こる

イントロが流れ始めた

先程までのセトリとは違って、落ちついた曲


言わずもがな、あなたへの鎮魂歌(チンコンカ)


彼女の物事をはっきりと言う性格に合わせて、いつもの曲とは違った真っ直ぐな歌詞を並べる


配信ではカッコつけて偉大に振舞っていたけれど、実際はずっと手が震えていた



「君がいなくなったことは急なことで」



家族の中で僕が一番ボロボロに泣いて、両親や兄はむしろ僕を落ち着かせるのに大変で、大泣きする暇なかっただろうなぁ…

なんか、申し訳ないw


あの手紙…

遺書は、コピーを取ってずっと大切に保存している

辛くなったり寂しくなったり、あなたを思い出したくなったらあれを見るようにしている

いや、ほとんど毎日見てるな…w

アルバムも物置部屋にたくさんあるのが見つかって、一人一つ、一番大好きなものを貰った

僕はその中でも一番いい笑顔をしているあなたの写真を写真立てに飾った



「君の笑顔は太陽みたいだ」



そらるさんも葬式に参列してくれて、一緒にあなたに思いを馳(ハ)せてくれた

ずっと待ってくれていたリスナーには感謝しかない

エゴサしたらホントに死亡説が出てたのはさすがに笑ったけどね



「願わくばもう一度あなたに会いたい、会いたくて」



僕は歌い手を続ける

みんなの前で歌を続ける


それがあなたの最後の願いならば



「僕の妹に産まれて来てくれてありがとう」



涙が一筋、つうと流れた


まふまふ「僕には妹が“いたんです”」


〈了〉