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第2話

3人が旅立った後で
1,342
2018/07/08 09:57
3人が旅立った次の日。私はある道場にいた。親類の1人が刀を教えてくれるらしい。あの日からずっとそこへ通っていた。
親類の人
次は素振り100回!
あなた

は、はい!

言われた事をしっかりやって竹刀を置いた
あなた

疲れた…

もう辞めちゃおうなんてそんな事考えてもいた
あなた

でも…みんなの所に行かなきゃ

あなた

……こんな竹刀振ってても強くなれるわけがない…

寝転がりながら呟く
あなた

にげよ

そう呟いて私は走り出す
竹刀を盗んで、家の塀を飛び越え
親類の人
!?あなた!!
あなた

もうやめまーす

親類の人
待て!!強くなりたいんじゃないのか!?
あなた

もう自分でがんばります!!

親類の人
…そうか、頑張れ
あなた

はい!!

そしてミツバの家へ行く
あなた

ミーツバ

沖田ミツバ(昔)
沖田ミツバ(昔)
あらあら、お稽古はいいのかしら?
あなた

やめてきたよ

沖田ミツバ(昔)
沖田ミツバ(昔)
また、なんで
あなた

あんなんで強くなれる気がしないもん

沖田ミツバ(昔)
沖田ミツバ(昔)
そう…
あなた

でさ、近藤さん達が行ってた道場あったよね?あそこ借りていいかな?

沖田ミツバ(昔)
沖田ミツバ(昔)
いいと思うけど、稽古でもするのかしら?
あなた

うん!!

あなた

じゃあ、行ってくる!!

沖田ミツバ(昔)
沖田ミツバ(昔)
怪我、しないようにして下さいね
あなた

うん!!

私はミツバの家を飛び出した
近藤さん達が行っていた道場、あの人たちが強くなった道場
その道場に走っていった
毎日のように行っては自分一人でとにかく頑張った
その日からしばらくの年月がたった,
江戸では真選組が出来た頃だった
でも、私はそんなこと知るよしもなかった
私は武州ではちょっと名の知れた道場破りになった
そこら辺の道場に行っては門下の人達に喧嘩を申し込み、潰していく
それが私の日常となった
強さを手に入れて、もう満足していた
だから、上京して江戸に行くことに決めた
荷造りをはじめ、まとめきって最後にミツバの家に寄った
もうそこは空き家になっている
ミツバは結婚するために上京したからだ
あなた

もうお別れかな
この家も、私の家も、

ミツバの家を出て無言で見渡す
そして家を出る
江戸の方へ歩いていった
振り返らずに
あの人達のように

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