3人が旅立った次の日。私はある道場にいた。親類の1人が刀を教えてくれるらしい。あの日からずっとそこへ通っていた。
言われた事をしっかりやって竹刀を置いた
もう辞めちゃおうなんてそんな事考えてもいた
寝転がりながら呟く
そう呟いて私は走り出す
竹刀を盗んで、家の塀を飛び越え
そしてミツバの家へ行く
私はミツバの家を飛び出した
近藤さん達が行っていた道場、あの人たちが強くなった道場
その道場に走っていった
毎日のように行っては自分一人でとにかく頑張った
その日からしばらくの年月がたった,
江戸では真選組が出来た頃だった
でも、私はそんなこと知るよしもなかった
私は武州ではちょっと名の知れた道場破りになった
そこら辺の道場に行っては門下の人達に喧嘩を申し込み、潰していく
それが私の日常となった
強さを手に入れて、もう満足していた
だから、上京して江戸に行くことに決めた
荷造りをはじめ、まとめきって最後にミツバの家に寄った
もうそこは空き家になっている
ミツバは結婚するために上京したからだ
ミツバの家を出て無言で見渡す
そして家を出る
江戸の方へ歩いていった
振り返らずに
あの人達のように
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。