LAN side
OTが終わった午後。
ないこさんとホールに来ると、綺麗なあじさいの折り紙が作られていた。
最初に来た差し入れの折り紙は、こえくんたちにあげてあっという間になくなった。
2回目の差し入れで柄付きの折り紙があったから…
俺は、4種類の柄の折り紙を差し出した。
ないこさんは、こういう柄は持っていない…
ないこさんは実家と恐らく折り合いが良くない。
折り紙も、児相でもらったものばかりだから…
ないこさんは、顔を輝かせて1枚柄付きの折り紙をもらってくれた。
…俺も、これであじさいを作ろう。
ないこさんが教えてくれたあじさいは、立体。
こさめと作った物よりも本物そっくりだった。
ナースステーションから借りたのりを使いながら組み合せているないこさん。
…俺は言葉の端々に、寂しさを感じた、
ないこさんに教えてもらったあじさい。
せっかくだから飾って病棟を明るくしたかった。
ゆう先生に話すと、快く許可を出してくれた。
飾る場所は、ナースステーションの窓枠。
白いだけだった窓枠。
そこに水色と紫色のグラデーションのあじさいが一つ、咲いた。
貼ってからも、ないこさんとはお喋りしていた。
会ってから、数日…
前よりはかなり話せるようになった気がする。
ないこさんから聞かれた質問。
かつて、こさめにも同じことを聞かれた、
…ないこさんなら、言ってもいいだろうか。
俺が絞り出した答え。
少ししてないこさんは、答えた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。