LAN side
俺が思いついたちょっとしたこと。
それは、作ったあじさいを飾ることだ。
借りたテープで、ナースステーションの窓枠に貼り付けていった。
一緒に作ったあじさい。
"帰宅恐怖"のことを教えてくれた時に少し暗くなってしまったけれど…
きっとないこさんも喜んでくれるはず、
If先生は、何だか感慨深そうに眺めている。
どうしたのだろうか…?
…If先生はないこさんの担当なのだろうか。
温かいIf先生の視線。
それが、いるま先生が俺を見る目と似ていた。
ないこさんは、初めての年上の子ども患者さん。
俺にとってもみんなにとっても大切な人だ。
ゆう先生と、何人かの大人の患者さんが外につながる扉から入ってきた。
その中には、ないこさんの姿も。
ないこさんも、目を輝かせて見てくれた。
…少し梅雨は過ぎたけれど、綺麗なあじさいだ。
きっと、売店の買い物に行ったのだろう。
そしてここは、必ず帰ってこれる居場所。
俺は勇気を出して、口を開いた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!