LAN side
OTには行ったことがなかったほとけくん。
こさめが退院したから、てっきりOTに行く子どもはもう俺1人になったのかと思っていた…
そう言ってないこさんは顔を綻ばせた。
ほとけくんも、ないこさんとはかなり気が合っているように見える。
2人は、なんとなく話ができるようになっていた。
…あんな日はもう想像できないくらいだ、
あの日、初めてほとけくんと会った日。
怯えながらカーテンを掴んでいたほとけくんは、もう居ない。
…その代わりに。
自分から、人と話すことも増えていた。
れるちだけじゃなくて…If先生や、ないこさんも。
こうして、2回目のOTに出かけた。
昨日とは違う仲間の声が、俺を包みこんだ。
"ないこさんの方が詳しいかもな!"
みこと先生は、そう言って笑った。
ないこさんが入院したのは1カ月ほど前。
月曜日の午後と水曜日の午後、そして今日である金曜日の午後に来ているそう。
ないこさんは、みこと先生に人が少ない時間帯を選んで設定してもらったそうだ。
俺はどの時間帯でもよかったから…
みこと先生によると、前回こさめと行ったのは、風の棟・空の棟・桜の棟の3病棟合同OT。
対して金曜の午前は桜の棟限定OTなんだそう。
かくして、2回目のOTが始まった。
今日作ろうと思っていたあるもの。
そのために、作ってきた12個玉を手に載せた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。