今日は少し遠くまで出掛けに行く。
実は明日きよの誕生日。
だから大好きなきよに少しでもいい物を買ってあげたい。
きよが前にスマホでずっと眺めていたものを買った。
誕生日プレゼントも買ったし、ついでに自分にも少しだけ物を買えた。満足したので帰るために電車に乗った。
電車の中はかなり混んでいてぎゅうぎゅうだった。
すると、おしり辺りに違和感を感じた。
誰かがおしりを撫でている。
勇気を振り絞って後ろを振り向いた。
後ろにいたのは全く知らない自分より歳上そうな男性だった。
男は手を離す様子がなかった。
怖くて身体が上手く動かない。
お尻に硬くなったアレを押し付けられた。
その場から離れようと少し動こうとしたら強く手首を掴まれた。
口を塞ぐように舌を入れられた。
男の方が力が強くて抵抗できない。
そのまま服の中に手を入れ胸を触ってきた。
そう言うと男の手がズボンの中に入ってきた。
強引に指を入れられた。
周りの人も絶対気づいているはずなのに誰も助けようともしてくれない。
こんなこときよともした事がない。
男はしばらく穴の中を掻き回した。
男のモノが僕の中に入ってきた。
穴が引き裂かれて焼けるように痛い。気が飛びそうだった。
無意識に来るはずのないきよの名前を呼んだ。
急に男が首筋を強く噛んできた。首筋に激痛が走った。
痛すぎて声が出ない。
目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
身体の中に熱い液体が広がった。
いそいそと服を直し男は次の駅で降りた。
自分の身体に目線を下ろした。
流れ出てくる白濁色の液体。はだけた服。
服を着直してどこかわからない駅で降りた。
早くこの場から去りたかった。
電車から降りると外はすっかり暗くなっていた。
誰もいない暗い駅で1人声を殺して泣いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!