神side
あの日から数日はもう何も考えられなかった
いや、今もあんまり変わってないんだけど…
あ、仕事はちゃんとしてる…つもり…
メンバーみんなに心配かけてる…けど…
それでも話す気にはなれなくて…
巧からもいっぱいLINEが入ってたが、
それも返信出来ずにいた
で、やっと今日店に顔出しに来た
巧の顔をみた途端…
情けなさと申し訳なさで、またため息が…
…
どれくらい時間が経っただろうか
気付いたら周りにお客さんはいなくて…
もう日付が変わろうとしている…
…
前置きもなしにあなたちゃんに
「素を見せて」って言った…
そりゃ、え?ってなるよな
それから言葉に詰まっちゃって…
しかも逃げるように帰ったんだよね
何も考えずに、なんか今しかない、って思って…
勢いに任せて言っちゃったし
俺の真意は全く伝えられてないし…
言葉足らずにも程がある…
しまいには忘れて、とか…
最悪だ…
避けられてもその後信頼してもらえたら、
って思ってたけど
あなたちゃんきっと俺に警戒してる
元々距離が近かったとは言えないし…
それがあの日でもっと離れた…
…
やっと誰かに、吐き出せた…
言葉にして…言えた…
……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。