第39話

37話 過去編18
392
2022/02/18 06:45
五条side
ごめん天内。あなた。

俺は今オマエらのために怒ってない。

誰も憎んじゃいない。

今はただただこの世界が心地良い。
五条
五条
天上天下唯我独尊。
アイツからの猛攻が続くが、

ひらひらと躱す。
代々伝わる相伝の術式のメリットはあらかじめ先代の築いた術式の取説があること。

デメリットは術式の情報が漏れやすいこと。

アンタ御三家...
禪院家の人間だろ。「蒼」も「赫」も無下限呪術のことはよく知ってるわけだ。

だがコレ・・は五条家の中でもごく一部の人間しか知らない。

順転と反転。

それぞれの無限を衝突させることで生成される仮想の質量を押し出す。
五条
五条
虚式「茈」
甚爾side
違和感


「タダ働きなんてゴメンだね。」

いつもの俺ならそう言ってトンズラこいた。

だが目の前には覚醒した無下限呪術の使い手。

おそらく現代最強と成った術師。


否定してみたくなった。

捩じ伏せてみたくなった。

俺を否定した禪院家、呪術界、その頂点を。

自分を肯定するためにいつもの自分を曲げちまった。

その時点で負けていた。
甚爾
甚爾
自尊心それは捨てたろ。
自分も他人も尊ぶことない。

そういう生き方を選んだんだろうが。
五条
五条
最後に言い残すことはあるか?
甚爾
甚爾
...ねぇよ。
そう言った時。

頭によぎった子供ガキ
甚爾
甚爾
2、3年もしたら俺の子供ガキが禪院家に売られる。好きにしろ。
傑side
硝子の治療を受け終え、悟が行ったと思われる盤星教の施設に来た。


扉を開けた先には、

理子ちゃんの遺体を抱えた悟と、

その周りで拍手をしている盤星教の教徒。
五条
五条
遅かったな傑。いや、早い方か。都内にいくつ盤星教の施設があるって話だもんな。
夏油
夏油
悟...だよな?
何があった...!?

明らかに異質なオーラを放っている。
五条
五条
硝子には会えたんだな。
夏油
夏油
あぁ。治してもらった。私は問題ない。
力の入っていない理子ちゃんの垂れた腕を見る。
夏油
夏油
...いや、私に問題がなくても仕方ないな。
五条
五条
俺がしくった。オマエは悪くない。
夏油
夏油
...行こう。
五条
五条
傑。コイツら殺すか?
今の俺なら多分何も感じない。
こちらを見る悟の瞳にはなんの感情もこもっていない。
夏油
夏油
いい。意味が無い。
見た所ここには一般教徒しか居ない。呪術界こちらを知る主犯の人間はもう逃げた後だろう。懸賞金と違ってもうこの状況は言い逃れできない。元々問題のあった団体だ。じき解体される。
五条
五条
意味ね。
それ、本当に必要か?
夏油
夏油
大事なことだ。特に術師にはな。
そうして、盤星教の施設を後にした。
夏油
夏油
...悟。あなたは。
気になっていた、あなたの姿が見えないこと。

悟が口にしないので聞いた。
五条
五条
...多分、如月家。
夏油
夏油
それは無事...と受け取っていいのか。
あなたの如月家での立ち位置も知っているし、あなたが、如月家にどんな想いを持っているのかも知っているので無事と受け取っていいのか分からない。
五条
五条
無事ではあると思う。
悟の妙な言い回しが気になるまま、高専についた。
夜蛾
夜蛾
...ご苦労だった。
あなたの件に関してだが、如月家が保護しているようだ。数日せずに戻るらしい。
その言葉通り、あなたは4日後に高専へ戻ってきた。

プリ小説オーディオドラマ