第34話

32話 過去編13
464
2022/01/25 09:22
如月side
ダッダッダッダッ
悟...大丈夫だろうか。

...いや、信じよう。今は理子ちゃんだ。



少し走り、薨星宮参道まで来た。
黒井
黒井
理子様。私はここまでです。
理子様...どうか...
あぁ。ここまでだね黒井さん。

それでも...それでも理子ちゃんが望むなら。理子ちゃんが黒井さんと生きることを望むのなら、僕達は...
ギュッ



理子ちゃんが黒井さんに抱きついた。
天内
天内
黒井。大好きだよ。ずっと...!これからずっと!!
黒井
黒井
私も...!大好きです...。
...。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
傑。僕は黒井さんについているよ。
夏油
夏油
...いいのかい?理子ちゃんとは仲良くなっていたじゃないか。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
いいの。黒井さんの方の気持ちを聞きたいからね。理子ちゃんをよろしく。
夏油
夏油
分かったよ。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...じゃ、理子ちゃん。僕と黒井さんは、ここまで。
天内
天内
あなたも...。短い間だったけど大好きだよ!
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...うん。僕も!理子ちゃん。もし、なにか思うことがあるなら何も気にせず、1度ぶちまけてみるといいよ。傑にでもね。
天内
天内
...うん。じゃあね。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
バイバイ。
傑。頼んだよ。
夏油
夏油
頼まれたよ。
そうして、傑と理子ちゃんの背中を見送った。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...黒井さん。いいんですか?
黒井
黒井
...えぇ。代々星漿体のお世話係。それ以外の何物でもないです
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...。
黒井
黒井
...何者でもなかったのですが...如月様に私が理子様の家族と言っていただけたおかげで吹っ切れました。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
吹っ切れた...ですか。
黒井
黒井
えぇ。理子様が御自身の任務を全うされるのなら、それを見守るまでです。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...でももし、理子ちゃんがまだ黒井さんと共に居たいと手を伸ばしたなら、黒井さんはどうしますか。
黒井
黒井
...えっ?
如月(高専時代)
如月(高専時代)
理子ちゃんはまだ中学生。黒井さんの半分も生きてない。生まれた時から星漿体の運命を背負ってる。両親を亡くしても、星漿体として生き続けなければならない。それでも、生き続けられたのは少なくとも黒井さんのおかげもあるんじゃないですか?
黒井
黒井
いや...そんな...。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
僕に親はいたけれど、生きる意味が分からなかった。でも、傑がいてくれた。悟も、硝子も。僕にとっての皆みたいに、理子ちゃんにとっては黒井さんはかけがいのない大切な人なんです。僕にはわかります。
黒井
黒井
...。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
話が脱線してしまいました。僕達は『無敵』なんです。もし理子ちゃんと黒井さんが共に居たいと手を取り合ったのなら僕たちが、命をかけて守ってみせます。
黒井さんは、理子ちゃんが共に居たいと。一緒にいたいと、そう手を伸ばした時、手を取ってあげられますか?
黒井
黒井
...でも
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...違いました。星漿体とか何も考えずに、黒井さんは理子ちゃんとまだ一緒に居たいですか?
黒井
黒井
何も...考えずに...?
黒井
黒井
何も考えずに...。星漿体だからと気にしないのなら...これからも理子様と一緒に居たいです...!
如月(高専時代)
如月(高専時代)
...それが聞けてよかったです。理子ちゃんも同じ想いでしたから。
別れ際、理子ちゃんを視た。それから黒井さんも視た。
天眼で視えた想いは全く同じものだった。親愛。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
少々ここでm
バチッ






ザシュッ
如月(高専時代)
如月(高専時代)
待っ...て......?
その瞬間、天眼で視えた未来がほとんど時差無くやって来た。
黒井
黒井
...グアッ
如月(高専時代)
如月(高専時代)
黒井さんっ!!
天眼で視えた、黒井さんがあの人・・・に刺される未来。
それに反応する前にその未来が訪れた。
如月(高専時代)
如月(高専時代)
なん...で...貴方がここに...






......









甚爾
甚爾
よぉ、あなた。

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