~10年前の話~
あの日はいつものように放課後の約束をしていた。
そして放課後になり俺らはクレープ屋に向かった。
俺とあなたは新作。
椿紗はいつもの。
暁希に至っては新作といつものとで迷ってたみたいであなたから一口もらう事になりいつものを頼んでたわw
それからは4人で雑貨屋、本屋、楽器屋に寄り道して帰った。
ここまではいつもと何も変わらなかった。
ただ1つ変わった事。それは…
君がいなくなった事。
そう。俺ら4人が寄り道をしたこの日…2012年8月21日。
あなたは俺らと解散した後、通り魔に刺されて死んでしまった。
あなたの葬儀は家族だけで行なったらしく
俺ら3人は出れてない。
だから俺らはちゃんと顔を見てサヨナラを言うことすら出来なかったんだ。
そのせいか、あなたは今もどこかで生きているんじゃないか。と思ってしまう。
それからの俺らは、あなたがいなくなったのは自分のせいだ。
あの時にちゃんと送ったればこんな事にならなかったのに…。
と思ってしまいお互いに距離を作ってしまった。
今思えば、この時が平凡で幸せな時間だったのかも知れない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!