第24話

66話
2,923
2020/04/25 03:23
誅side




なーくんが記憶をなくして少しが経つ

少しずつ元気を取り戻すなーくんだけど、しえるくんは、悲しみで満ちて学校にも

僕達の前にも姿を現さなくなった。


『なーくん、お菓子持ってきたよー!』

瑠雨『お邪魔します。』

七瀬『ありがとう、ころちゃん、瑠雨くん……』

そう言って眉を下げながら悲しそうに微笑むなーくん


『……なーくん、元気ないけどどうしたの?』

僕は、近寄ってなーくんの顔を見て聞いた


七瀬『あの……しえるくんは、来ないの?』

瑠雨『…………』

『……なーくん、あのね……しえるくんは、なーくんのっ……』

瑠雨『ころちゃん』

『あっ……ごめん……』


七瀬『気を使わせるほどに、大事な存在だったんだね、しえるくんは……

思い出したいのに、思い出せない……しえるくんには酷いことしたよね』

『そんなことっ!』


七瀬『じゃあ、しえるくんはどうして俺のところに来ないの?……なんで辛そうなの?』

『……っ……それは……』


七瀬『記憶を取り戻したら、俺はどうなるんだろうね……

傷つけた代償に何をしたらいいんだろう……』


『…………』


そう言って窓の外を見つめて涙を流すなーくんを、僕は、ただ見ていることしか出来なかった。




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瑠雨『お邪魔しました。』

『なーくん、またね』

七瀬『気をつけて帰ってね』

『……うん』

手を振って笑顔で僕達を見送るなーくん


『ねぇ、瑠雨くん……』

瑠雨『どうしました、ころちゃん?』

『僕には、何も出来ないのかな……助けることも』


僕が2人の問題に関わることは、傷つけちゃうの?




瑠雨『ころちゃんは、なーくんの傍に居るだけでいいんですよ、それで

なーくんは、元気を取り戻しつつあるんですから』


『じ、じゃあ、しえるくんは助けられないの?……元気にさせられないの?』

瑠雨『……しえるくんが心を開いてくれるまで待つことが僕達に出来ることだと思います。』


『そっか……』

瑠雨『…………』


莉犬『あ……ころちゃん、瑠雨くんっ!』

里美『……よっ!』


誅『里美くん、莉犬くんっ!』

僕は、瑠雨くんの手をひいて近寄った


瑠雨『どちらに行くんですか?』

莉犬『なーくんの所にだよ?』

里美『花束を届けにな』


誅『……花?』


莉犬『あぁ……しえるくんからだよ』

里美『……渡してくれって頼まれたからな』


しえるくんからなーくんに?






瑠雨『里美くん、その花束貸してください』

里美『……えっ、いいけど……』

『……?』


瑠雨くんは、花束を手に受け取ると、急に走り出した


『る、瑠雨くん!』

里美『あ、ちょ、花束っ!』

莉犬『……あーぁ、』


『……待って、瑠雨くん!』


走り出した時の瑠雨くんは、怒っているようで泣いていた。

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