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第1話

これから、よろしくお願いします!
これから、どうしよう。
行くあてもなく途方に暮れた私は、俯いて何回目かのため息をつく。
ふと、目の前の地面に人の影が落ちる。
なんだろ?
顔を上げると、そこには怖いくらい顔が整った男性が立っていた。
お父さん
お父さん
君、どうしたんだい?
愛結
愛結
……住んでいた家から、追い出されてしまったんです
警戒していたが、好意を無駄にしてしまったらいけないなと思い、簡単に答える。
お父さん
お父さん
どうして、そうなったんだい?
また質問してきた。
あんまり、話したくないんだけど……
愛結
愛結
……お母さんが、亡くなったから。
愛結
愛結
お父さんはずっと前に。
お父さん
お父さん
!!
男の人は、苦しそうに顔を歪め、口を開く
お父さん
お父さん
……もし、行くあてがないのなら、家へ来るかい?
愛結
愛結
えっ
今、なんて言った?
……行っても、いいの……?
そんな考えをめぐらせていると、それを察したように男の人は付け足す
お父さん
お父さん
僕達なら構わないから。
どうだい?
愛結
愛結
……お願い、します
これを断ってしまっていたら、私は本当に行くあてがなくなってしまう。
お父さん
お父さん
そうと決まれば、今から行こうか。
愛結
愛結
え、あ……
お父さん
お父さん
大丈夫だよ。
迷惑なんて思うやつは家にはいないから。
……本当にこの人はすごい。
私が思っていることを見透かしているみたい。
その人の後をついて行くと、細い一本道に入った。
車が1台通れるかくらいの。
愛結
愛結
すごい……
一本道が開けた先には、沢山の木と広い庭、そして大きな白い壁の家があった。
豪邸じゃん……
お父さん
お父さん
ここが我が家だよ。
愛結
愛結
すごく、広いんですね……
庭の手入れもされていて、とても綺麗です
庭の花壇には沢山の花と、緑があった。
お父さん
お父さん
そう言ってもらえて嬉しいよ。
どうやら気に入ったようだね。
愛結
愛結
はい……
あの、本当にいいのでしょうか?
不安になって、再び聞いてみる。
だって、こんな豪邸に住んでいいとか、何かの間違いじゃ……
お父さん
お父さん
良いんだよ。
さあ、中に入ろうか。
そう言って、玄関へと歩いて行く。
私も置いていかれないように後ろを歩く。
お父さん
お父さん
ガチャ……ただいま。
シーンと静まり返っていたが、ドタドタっと、足音が聞こえてくる。
拓真
拓真
おっ、おかえり!
久しぶりだな、父さん!
威勢のいい、高校生くらいの男の子が飛び出してきた。
この人も整った顔立ちをしてる。
拓真
拓真
……ん?
その子は?
私の存在に気づいて、首を傾げる。
怪しんでいると言うよりは、純粋に疑問を抱いているな、この人は。
お父さん
お父さん
ああ、この子の事で、話したいんだが、今家にみんないるか?
みんな……って事は他にもいるんだ。
拓真
拓真
おう、待ってろ。
呼んでくる
彼は家の奥へと入っていった。
お父さん
お父さん
それじゃ、僕らはリビングで待ってようか。
愛結
愛結
あ、はい
お邪魔します……
中に入ってみると、玄関は思ったよりも広かった。
真っ白な床に、真っ白な壁。
ピンクや紫の花もいけてある。
リビングは玄関からも見えた。
とてつもなく広く、綺麗だった。
お父さん
お父さん
散らかっていてすまないね。
この椅子に座ってくれ
愛結
愛結
はい
ありがとうございます……
本当に、広い……
普通の家とは桁違いの広さだ。
横に30…いや、40m、縦に30mくらいある。
その中にカーペットやソファ、キッチンがあるんだから、なんて贅沢なんだろう
お父さん
お父さん
はい、どうぞ。
あ、来たね。
私の前におしゃれなティーカップを置いた彼は、私の後ろを見て言った。
家の人が来たのかと思って、立ち上がろうとすると、座っていていいよと彼に言われたので、大人しく座る。
お父さん
お父さん
3人とも、そこに座ってくれ
そう言って、私の前の席を指さす。
その席に座ったのは、先程の美男子と、眼鏡をかけた人と、大人しそうな人だった。
どちらも男性で、美男子だ。
美形1家なんだろうな……
お父さん
お父さん
えっと、この子は今日からこの家に住んでもらう……名前聞いてなかったね、なんていう名前なの?
そういえば言ってなかったな
名前も聞かずに連れてきてくれたんだ、この人は。
つくづく優しいな
愛結
愛結
河野 愛結(こうの まゆ)です。
お父さん
お父さん
愛結さんだ。
みんな、よろしく頼む
拓真
拓真
どうしてこうなったか、説明足んねぇだろ
ごもっともな意見だ。
そりゃいきなり出てきてよろしくとはならない。
愛結
愛結
……家から、追い出されてしまったんです。
母が亡くなったから。父は幼い時に。
3人とも、男の人と同じ反応をしている。
まあ、しょうがないよね。
愛結
愛結
帰る家がなく、途方に暮れていたところを、この方が助けてくださったのです。
しんと静まり返る。
やっぱり、嫌だよね、急に一緒に住めって言われても
拓真
拓真
そうだったのか。
まあ、こんな家で良ければいてもいいぞ
予想外の言葉に、バッと顔を上げる。
ほんと……?
秀真
秀真
元々この家は3人でいるには広すぎるしな。
愛結
愛結
……ん?
3人……?
この男の人は一緒に住んでないのかな……?
お父さん
お父さん
ああ、言い忘れてたけど、僕は海外に住んでるんだ。
拓真
拓真
だから、基本この家にいるのは3人なんだよ
愛結
愛結
な、なるほど……
……って事は、私は美男子3人と暮らす事になるのか?!
お父さん
お父さん
あ、自己紹介をまだしてなかったね
そういえば……聞いてなかったな
お父さん
お父さん
僕は佐倉 翔真(さくらしょうま)だよ。
会社の社長をしてる。
社長……?!
道理で金持ちなわけだ……
お父さん
お父さん
妻と海外で暮らしてるから、こっちにはたまにしか戻って来ないんだ。
愛結
愛結
そうなんですか……
海外でって……かなりすごい人なのかな
秀真
秀真
長男の秀真だ。
拓真
拓真
次男の拓真だ。
よろしくな!
冬真
冬真
……三男の、冬真。
……個性が、凄い。
お父さん
お父さん
あっ、やばい、そろそろ僕行かないと。
じゃあ、後のことはよろしくっ!
そう3人に告げて、バタバタと家から出ていった。
……気まずい。
なんか話さなきゃいけないのかな
秀真
秀真
……とりあえず、部屋まで案内する
愛結
愛結
あ、はい
お願いします……
今日急に来て部屋あるのかな……?
拓真
拓真
どの部屋にするんだ?
空き部屋……何もねぇ状態の所しかねぇよな
つまり……まっさらな部屋が沢山あると?
何それ金持ち!!
もっと違うところに使ったらいいのにな……
秀真
秀真
ベッドが無いから空き部屋は無理だろう。
となると……俺たちと同じように、2人ずつ、か。
……2人ずつ、とは?
拓真
拓真
そうだな……いっその事決め直すか?
何を?!
って言うか、さっきから2人しか喋ってない……えっと、冬真さん……だっけ、ずっと無言!
まあ、私も人の事言えないんだけどね
冬真
冬真
……じゃんけん
喋った!
けど、じゃんけんって何
拓真
拓真
いいな、それ
いくぞ〜!
何のじゃんけん?!
っていうか私もするの?!
拓真
拓真
最初はグー、じゃんけん……
始まってるし!
いいや……出しちゃえ!
拓真
拓真
ぽん!
結果は、
私→パー
秀真さん→パー
拓真さん→グー
冬真さん→グー
だ。
……っていうか何のじゃんけん
拓真
拓真
あー、負けちまったか……
秀真
秀真
丁度いい数だから、このわけ方でいいか?
秀真さんの問いかけに、後の2人が頷く。
……だから何のわけ方
秀真
秀真
じゃあ、行くぞ
愛結
愛結
えっ
秀真さんが私の手を引いて階段へ向かう。
……あ、部屋へ案内してくれるのか
階段を上がると、左右、前へと廊下が続いている。
めっちゃ広い……ここに3人で住んでたのか……
秀真
秀真
寝室は左の廊下、真っ直ぐはまぁ、趣味の部屋?みたいなものだ。
右は資料や本などがある部屋への廊下だ。
後で案内する。
まずは寝室だ。
私と秀真さんは左の廊下を突き進む。
廊下は広く、車2台分はある。
廊下の左右にズラっと扉があり、どれも綺麗な彫刻が施してある。
秀真
秀真
ここだ。
彼が指さしたのは、突き当たりにあるホールだ。
ホールと言っても、左右に扉が1枚ずつあるだけで、殺風景だ。
真ん中にテーブルがおけそう……
秀真
秀真
右の扉は拓真と冬真の寝室だ。
俺たちのは左の扉。
……そういう事か。
寝室のペア分けをしてたのか、さっきは。
秀真
秀真
ガチャ……
扉を開けた先には、大きな開けた窓と柔らかそうで白いレースのカーテン、大きなベッドが2つと、小さな花型の穴がいくつか空いたランプがあった。
愛結
愛結
す、ご……
秀真
秀真
気に入ってもらえたか?
俺は手前のベッドを使っているから、奥を使うといい。
愛結
愛結
あ、はい
秀真
秀真
……敬語でなくていいぞ。
あと、俺は呼び捨てで呼ばせてもらう。
愛結
愛結
え、あ、分かった……
……あれ、この人何歳なんだろう、そういえば。
聞いてなかったような……
秀真
秀真
じゃあ、次は真ん中の廊下と右の廊下を案内する。
着いてきてくれ
こうして、一通り説明を聞いた後、私達はリビングに戻った。
拓真
拓真
お、おかえりー
リビングでは、ソファに2人が座っていた。
一緒にいると言っても、やっている事は別々だ。
拓真
拓真
そういや、お前どこの学校通うんだ?
愛結
愛結
……えっと……実は、高校、通ってないんです
拓真
拓真
……落ちたのか?
失礼だな、この人。
あんな簡単な試験に落ちるわけないだろう。
愛結
愛結
いえ、金銭的な問題で……
あんまり言いたくないんだけどな……
愛結
愛結
私が家計を支えていましたので、学費など払えるはずもなく、仕方なく中卒で……
拓真
拓真
……そうだったのか……
悪かったな、嫌な事聞いて
同情、か……
聞き飽きたな。
今までどれだけその目で見られてきただろう
秀真
秀真
……なら、俺達と同じ高校に通うか?
愛結
愛結
え?
拓真
拓真
お、それいいな!
冬真、電話してきてくれ
冬真さんはこくりと頷き、廊下へ出ていった。
拓真
拓真
あ、でも、俺らのとこ結構偏差値いいからな……
愛結
愛結
多分……その点は、何とかなると思いますので……
学力には自信がある。
まあ、ずば抜けて賢いという訳でもないが。
拓真
拓真
なら、大丈夫か
冬真
冬真
いいよって。
明日から……来てって
……明日?!
制服とかは?!
秀真
秀真
急だな……まあ、いい。
テストについては何か言ってたか?
冬真
冬真
受けなくていいって
え、どんなコネ使ったの
受けなくていいの……?
拓真
拓真
って事だから、明日から学校でもよろしくな!
愛結
愛結
よ、よろしくです