窓を強く叩く音が聞こえてから数十分、
貴)音が止んだ、?
昇)みたいだな
大丈夫か?
貴)うん、
コンコンッ
叩く音が消えた瞬間、
部屋のドアがノックされた
貴)え、?
((あなた、!昇太、!大丈夫か?
昇)達也?
ドアの向こうから達也の声が聞こえた
((大丈夫か?無理なら出て来ても
いいんだからな?
貴)たつ、や?
((あなた、?もう大丈夫だから
出て来てもいいよ?
貴)海夜ちゃん、?
((大丈夫だよ!
恐怖はピークに足していた
私はゆっくりと海夜ちゃんの声のする
ドアへと歩き出すと
昇)あなた!ダメだ、!
昇太に手を掴まれた
貴)昇太、?
昇)行くな、
貴)な、なんで. . .海夜ちゃんだよ、?
昇)おばさん達が言ってた事
よく思い出せ
・・・・・・・・・・・・・・
八)いい?今日、私達は2人に
話しかける事もなければ
2階に上がる人もいないわ
・・・・・・・・・・・・・・
貴)ッッ、
昇)ドアの向こうにいるのは
海夜じゃねぇ
昇)だから、行くな
貴). . .コクンッ
私がそう頷き昇太のそばに
座った瞬間. . .
((ポポポポッ. . .
((あと少しだったのに. . .
((ポポポポッ. . .
貴)ッッ!?
昇)ッッ. . .
その声を最後に、静かに夜が明けた
貴)ん、朝、?
気付けば私達は眠っていたようで
目が覚めると
新聞の隙間から日が差し込んでいた
貴)昇太、起きて. . .
昇)んん. . .あなた. . .
貴)昇太?
昇太は苦しそうな声で
私の名前を呼んだ
貴)変な夢でも見てるのかな、、、
昇太、起きて、!
昇)ハッ. . .あなた、!
目を覚まし私を見ると
ほっとしたような顔になり
私を抱き寄せた
貴)怖い夢見たの、?
昇)いや、大丈夫だ. . .
疲れてただけだよ
貴)無理しないでね. . .?
昇)ありがと
優しく頭を撫でると
私の手を取り部屋を出た
・・・・・・・・・・・・・・
八)もう大丈夫よ
貴)ありがとうございます、
それから、おばさんが駅まで送ってくれた
ー駅ー
母)じゃあね
貴)ありがとうございます、
母)ごめんなさいね、
昇)大丈夫です
母)帰り道も気を付けてね、?
あと、もうこの村には近付かないでね
貴方達は魅入られてしまったから
いつ狙われるかわからないわ
貴)わかりました、
それから、おばさんと別れ
2人で乗る電車の中
((ポポポッ. . .
遠くで、その声が聞こえた気がした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!