えなは俺の仏壇の前であることを呟いていたんだ。
「私なんか助けなければこうくんは死なずに済んだのに。こうくん、なんで私を助けたの...」
仮に俺が逆の立場だったとしてもきっとえなと同じことを言うと思う。
俺もなんでえなのことを助けたのかはよく覚えてないんだ、
けど俺は自分を捨ててでもえなを助けたかったんだと思う。
えなには辛いかもしれないけど時間かけてでも笑えるようになって俺の分まで笑って幸せになって欲しい。
俺の未来の扉は真っ暗だけどえなの未来の扉は明るく輝いている。
だからえな。自分を責めずに明るい未来を歩んでくれ、
今の時間はもう二度と戻すことは出来ない。
だからこの時間を笑って過ごして欲しい。
俺はえなに会えなくてもえなを愛することは出来る。
だから俺はえなを死んでも愛するって誓ったんだ。
第4話に続く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。