そこは、小さな空間だ
その中心に、たった1本の桜の木がある
"僕は君を一人にしない"
あの日、ここで約束したんだ
木に額を押し付けるように、願いを口にする
後ろを振り向くと、あなたがこちらを真っ直ぐ見つめていた
今は切り離された、遠くにいる君が
目の前にいる
思わず追いかけて、手首を掴む
また君が、消えてしまう気がした
伝えよう
何度も季節が変わるとしても
もう、諦めない
君が誰かのものになるくらいなら
今を、僕が壊してしまう方がマシだ
君が離れていっても
僕は、枯れる日まで想い続ける
僕を風上
あなたを風下にして、風が吹く
僕の声は、風に乗せて
遥か彼方の君に届く────
"無"限の刻を超えても、愛し続ける
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。