お父さん「大貴くんはね、アイドルなんだ。まぁ、あなたは当たり前のように知っていると思うが……」
あなた「うん」
お父さん「それで、あなたが隣にいるとニュースに載ったりして大変だと思うから、妹らしく、う〜ん……」
お母さん「とりあえず、大貴くんのとこは何があっても、恋愛感情にならないことね!」
お父さん「そう。妹の自覚を持って欲しいんだ。あなたは一人っ子であまりわからないと思うが、よろしくね」
大貴「俺からもお願いね」
あなた「なんで大ちゃんはお兄ちゃんになったの?」
お父さん「それは……なんて言うか、大人の事情があるんだ…」
あなた「なんで言わないの?」
お母さん「言ったでしょ、大人の事情なのよ」
大貴「ごめんね」
あなた「何それ。私だってもう高校生だよ?こんなの、大人の事情って言っとけばいいって思わないでよ!もう私は大人なの!子供扱いしないでよ!!大ちゃんがお兄ちゃんになるくらいなら私、家出る!」
お父さん、お母さん「あなた!?」
大貴「あなたちゃん!」
バンッ
私は家を出た
私はなんでこんなに怒っているんだろ……
てか、出ても行く場所ないし……
その時、涼介の顔が浮かんだ。
あなた「会いたい……」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。