❲朝❳
有栖が私の部屋のドアを開けて入ってきた。
有栖は、私の小さい頃からの友達。
私がピアノを弾けなくなったと聞いたときには、
まるで自分の事かのように泣いてくれた。
私達は学校へ向かった。
そんな他愛もない会話をしている時、私が
歩く場所に向かって車が来る音が聞こえた。
キキ~ィ‼
目は見えないが、おそらく猛スピードでこちらに
向かってきてるのであろう、車のブレーキをかける
音が聞こえてくる。
私が死を覚悟したその時、
私に車はぶつからなかった。
そして、どこからか声が聞こえてきた。
時間を止める事が出来るなんて、ルチアは本当の
魔法使いなのかもしれない。
ルチアは続けて言った。
ルチアは私の言うことを全く無視して
話している。
ルチアは自分の手を私の両目にあてた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。