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諦める…
そんなこと、もう とっくに やろうとしてるよ…
その為に、私なりに頑張ってるんだよ…
でも、違うんだ。
恋を諦めるって作業は…
自分では、コントロールできない。
自分ではどうしようもない…この想いを、
逝かせられる、、、何かを…
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道端のど真ん中。
重岡先輩は、至近距離にも関わらず、
訳が分からないほど大声で、そう叫んだ。
分からないよ…
付き合えないって…
言ってたじゃん…
私の言葉に「 、、へっ? 」と、我に返った重岡先輩は、
少しの間 固まって…
それから、何かを考えるように、私の肩から手を外して、
さっきと同じ 帰る方向へ、歩き出した。
でも、その歩みは、さっきよりもトボトボで…
考え込みながらの歩みだった。
私は、その後ろ姿が遠のくのが怖くて…
また、5歩後ろを着いて行った。
先輩は、何も言わずに、小さな小さな公園に入り、ベンチへ座った。
先輩が座った隣を、ポンポンしながら、私に座れと示す。
先輩は、何も感じてないようだけど、
隣に座るなんて、
私には高いハードルなんだけどな…//
ゆっくりと近づき、ドキドキの胸を感じながら、
先輩とは 少し、隙間を開けて座った。
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「へへっ//」って、こっちを向いて照れ笑いする先輩を見て…
壊れてしまいそうなほどセツナい、先輩の純粋な想いに触れて…
私は、、、自分が情けなかった。
こんなの…
嫌いになれるわけ無い。
それに私、、、勘違いしてたんだ💦
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重岡先輩は、私の肩に手を乗せると、
緊張して直視できない私の顔を覗き込んだ!
その言葉に、ハッ!っとした!
私は何を、また疑って…
重岡先輩が大好きで大好きで、猛アピールしていた私じゃなくなって、
こんな今の私なんか、ダメな気がしてならない。
でもね。
先輩は、言ってくれた。
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当たり前だけど…
その言葉で私は号泣した。
私にしか解らないかもだけど…
その時の先輩の笑顔は、
ゴールを決めた時の、あの笑顔よりも素敵で…
私を抱き寄せて、「 ごめんなぁ… 」ともう一度 言うと、
と、初めての、、、約束をくれた。
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その日、家まで私を送った彼は最後に…
屈託のない無邪気な笑顔で、
後ろ向きに歩きながら、手を振った。
それは…
私の片思い 最後の日 _______ 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。