第3話

『3』
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2018/10/13 09:10
    今まで真面目にグレずに生きてきたのに、今まで完璧にやってきたのに、今までの努力が否定されてしまった。
馬鹿みたいに笑って生きる友達に憧れながら、それもこれも我慢して、取り繕って頑張ったのに。
    親とか、先生とかの面倒臭い言い分に好き勝手に左右されて、僕らの意思表現なんてそっちのけて自分の思い通りにしようとするなよ。
    認められようと必死に頑張ってるのに、まるで興味ないみたいな顔するなよ。
言われたから、期待されてるって言われたからがんばってるのに。全部全部全部、踏まれてグチャグチャになって、努力なんて言葉も歪みまくって無かったことになるんだ。
『生きてるだけでも有難いと思え。』
    思ってるよ。
    思ってるよ、ちゃんと。

でも認めてもらえないのは、全部あんたらのせいだ。努力して傷だらけになりながらもがいてるのに気づいてくれなくて、
「ごめんね。」
なんて言葉もどうせ上辺だけの貼り付けたものなんだろ。
    腐った社会のせいで僕は生きるのに疲れるんだ。空を見る度思うんだ。死んでも別にいいんじゃないかって。
    そう思って簡単に死ねる人がすごく羨ましい。
「無理しちゃ駄目だよ。」
「もう少しだよ!頑張って!!」
「……何でできないの?」
    うるさいよ。
    応えようと頑張ってるんだよ。泣いてもがいて、傷つきまくった心なんか忘れて。
    もうその言葉なんて聞きたくないんだよ。怖いんだよ。もうやめろよ。
    僕だって不真面目に生きたかった。
    廊下走って、先生にも反抗したい。テスト勉強なんてしたくないし、授業中も友達と話してたい。常に良い成績なんて取りたくもない。責任ももちたくない。

面倒事なんて、投げ出してしまいたい。
    ……今、これを見てる人は真面目に生きてますか。
    それとも、不真面目に気楽に生きてますか。
だとしたら、僕はあなたが羨ましい。
今まで真面目に生きた僕は、急に不真面目になったせいで、親や、友達、いろんな人を困らせました。どうせなら、最初から馬鹿に生きれば良かったのに、中途半端なところで壊れてしまいました。
    不真面目に生きるのは、きっと楽しいものなんでしょう。
僕もそう生きたかった。
不真面目に生きれば、真面目に生きるよりも、楽しい事がたくさんあるんでしょう。
    感情表現がとても得意で、笑いたければ笑って、泣きたい時は素直に泣いて、腹が立ったら怒鳴り散らして、それはすごくいい事だと思います。
    僕にはそれができないから、羨ましい限りです。
    来世は、楽に生きたいなぁ。

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