1歩踏み出せば変わる未来があるはずなのに、僕はそれが必ず失敗してしまうと、上手くいくはずがないと、そう感じてしまった。
この先の未来なんて見たくない。
目を背けたい。
何も考えないで生きていたいのに、何でこの先の未来なんて考えて行かなきゃならないんだ。
そんなことぐらい楽に生きたっていいじゃないか。
もっと楽に生きたいんだ。
自分の好きなようにやりたいことして、楽しく笑ってたいんだ。
未来なんて考えなくていい。
知らなくてもいい。
それだけなのに。
1歩踏み出すことすら怖いから、これから先も今のままでいいって思うんだ。
このままダメ人間で生きていてもいいくらい、1歩踏みだす勇気なんてないんだから。
未来なんて言葉、無ければ良かったのに。
そうすれば、ずっと楽に歩んでいけたかもしれないのに。
未来を生きる事なんて、僕には一生できない。
もっと今までよりも楽ちんに、遊び呆けて疲れて笑って、そのまま寝てしまえるくらいに。
『未来』なんて言葉が此処に存在していないみたいに。
僕らに予想できる未来はないと、空に訴えてやりたい。
もう何もかも投げ捨てて、馬鹿みたいに生きたいんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!