炭治郎目線──────
突如俺たちを襲った、矢の雨
次々と地面に矢が刺さる中……
あなたの背中に、二本の矢が突き刺さった
倒れ込んだあなたの体を、咄嗟に支える
あれから、早数日が経った
あなたの息は絶え絶えだ
俺は四六時中、あなたの枕元にいた
常に虫の息で、顔色も戻らない
ずっと熱も下がらずにいる
………無一郎殿も、あと数日持つか…と言っていた
俺はあなたの手を握り
手の甲で頬をそっと撫でる
だけど当然、あなたが起きることは無い
その声は誰にも届くことなく
外の雨音に掻き消された
私は、ただ何も無い場所を歩いていた
体が軽い
真っ白で、上も下も分からない
突然、視界が開けたと思うと
目の前には花畑
それは川を超えても続いていた
歩を進めた瞬間
後ろから手首を掴まれた
真っ白の空間が、真っ黒になっていて
すぐ背中側は、まるで夜中のようだ
この声の主の顔は見えなかったけど……
暖かくて、懐かしい心地がした
アンケート
あなたはどうする?
手を振り払って、両親の元へ行く
12%
声の主の方へ近づいてみる
88%
投票数: 418票
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。