第78話

乱世の姫ルート︰其の弐拾壱(分岐点あり)
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2021/06/25 13:56
炭治郎目線──────


突如俺たちを襲った、矢の雨




次々と地面に矢が刺さる中……




あなたの背中に、二本の矢が突き刺さった




倒れ込んだあなたの体を、咄嗟に支える
竈門炭治郎
竈門炭治郎
あなた……?……あなた…!!
宇髄天元
宇髄天元
くそっ……!捕らえろ!!
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
あなた様!
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ぁ……血が…止まらない……
時透無一郎
時透無一郎
とにかく布を当てて!早く!
家臣
は…はい…!
時透無一郎
時透無一郎
矢は抜かないで!
抜けばそこから大量に出血する
錆兎
錆兎
これを使え!
時透無一郎
時透無一郎
……ありがとう
不死川実弥
不死川実弥
……随分冷静だな
時透無一郎
時透無一郎
これでも薬学に精通してるから。
手当は慣れてる
時透無一郎
時透無一郎
けど………当たり所悪いよ、これ……
時透無一郎
時透無一郎
…………最悪も覚悟してて
竈門炭治郎
竈門炭治郎
そん、な……
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
ああ……あなた様……
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
公方様……童磨は既に捕らえた
宇髄天元
宇髄天元
おう、そうか
時透無一郎
時透無一郎
部屋に運ぼう!
他の怪我人も中へ!




















あれから、早数日が経った




あなたの息は絶え絶えだ




俺は四六時中、あなたの枕元にいた




常に虫の息で、顔色も戻らない




ずっと熱も下がらずにいる




………無一郎殿も、あと数日持つか…と言っていた




俺はあなたの手を握り




手の甲で頬をそっと撫でる




だけど当然、あなたが起きることは無い
竈門炭治郎
竈門炭治郎
………俺の…せいだ…………
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ごめん……ごめんなぁ……あなた…
その声は誰にも届くことなく




外の雨音に掻き消された
























私は、ただ何も無い場所を歩いていた




体が軽い




真っ白で、上も下も分からない




突然、視界が開けたと思うと




目の前には花畑




それは川を超えても続いていた
松宮(なまえ)
松宮あなた
………どこ…
父上
あなた
松宮(なまえ)
松宮あなた
………父上…
母上
あなた
松宮(なまえ)
松宮あなた
っ……!母上……!
父上
こちらにおいで
母上
お前はよく頑張ったよ
松宮(なまえ)
松宮あなた
(……そう、だよ………
父上と母上に、ずっと会いたかったから)
松宮(なまえ)
松宮あなた
父上、母う…
???
あなた
歩を進めた瞬間




後ろから手首を掴まれた




真っ白の空間が、真っ黒になっていて




すぐ背中側は、まるで夜中のようだ




この声の主の顔は見えなかったけど……




暖かくて、懐かしい心地がした
???
あなた……行かないで…
松宮(なまえ)
松宮あなた
(……この声……すごく震えてる………)
松宮(なまえ)
松宮あなた
あなたはだ…
母上
あなた、ほらおいで。
頑張った分だけ、抱きしめてあげる
松宮(なまえ)
松宮あなた
………………
???
…あなた………
松宮(なまえ)
松宮あなた
(……どうしよう…)

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