そして、二日後の明け方
ついに、時は来た
こくりこくりとうたた寝をしていた
ドーン!
大きな音で目が覚めた
鉄砲か………!
屋根の上に控えていた弓を持った兵が構える
僅かに見える陽の元、ギリギリと弓を引く
シュバッ!バシュッ!
敵兵に次々と刺さる
本能寺の僧や女性は、予め避難させてある
二度もいい迷惑だと思う
だが、余計なことを考えてはならない
なぜなら、その瞬間に死ぬから
明け方の空に見えるは、将軍家の旗
そして、水色の桔梗も見える
煉獄の赤備えも、不死川の毘の文字も
シュバッ!
すぐ近くに、敵方の矢が刺さった
グダグダしてる暇はない
私のその一声で、戦線は激化する
鉄砲の音は、止むことなく響き渡る
三段構えか……あるいはかなり離れたところから
どちらにしろ、殺しに来ているのは一目瞭然だ
ガン!キン!!
公方様を囲い込む
だけど……手応えがない
おかしい………敵兵がこちらに来ない
その言葉に、愕然とした
絶望と恐怖が、一気に押し寄せてきた
力が抜け、崩れ落ちた
私はただ、震えながら2人を見上げるしかできない
炭治郎様が抜刀する
そして、刃先を私の首に近づけた
ひんやりとした感覚………冷めた視線……
あなたは………誰なの……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。