第40話

悲劇の姫ルート︰其の陸
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2021/02/28 08:12
5年前のあの日………




私は、奥州の小さな村にある屋敷をいただいた




ボロボロだったけど、ここなら無償でいいとの事




伊之助様には、感謝しなければ




ここに来てまずしたこと……それは…………




薬で、顔を焼いた────




私は…………松宮あなたは死んだ




死人と同じ顔をしているわけにはいかない




無一郎様に教わった薬の作り方を、記憶から手繰り寄せる




この薬は、人の皮膚に火傷跡を残す




顔の大部分………頬や額に、火傷跡を施した




激痛で、何日も眠ることが出来なかった




やがて痛みが引くと、顔の目元以外を布で覆う




こうして、私は顔を隠した




そしてこの屋敷の使い道は………




戦で親家族を亡くした子供たちを保護して




共に暮らすための場所にした




そして私の名は、徒荏────
徒荏
徒荏
さあ、それではお勉強を始めましょう
一同
はーい!
引き取った子供たちは、約二十人




それを十人ずつに分けて、毎日生活している




まず、ひとつの組は午前に勉学の時間




その間もうひとつの組は、布を織ったり、畑を耕したりする




午後は、それを交代する




そして週に一度、織った布や採れた野菜を売りに行く




週に五回勉強、週に一度売りに行く




何もない日は、週に一度だ




1番小さい子で、まだ産まれて数カ月




1番大きい子でも、まだ八歳だ




皆、身分はそれほど高くないため、読み書きはほぼ出来ない




親に売られた子もいる




私は、絶対にそんなことはしない……
徒荏
徒荏
『子曰く、人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患うるなり』
一同
『子曰く、人の己を知らざるを患えず、人の知らざるを患うるなり』
徒荏
徒荏
……これは、他の者が自分を分かってくれないことより、自分が他の者を分からないことを気にせよ…………という、孔子様のお言葉です
徒荏
徒荏
ここにいる友は、永遠に忘れはしない………でも人間、いつ失うか分からない
徒荏
徒荏
相手に理解されないのならまず、
自分は相手を遠ざけていないか……そう自問してみなさい
一同
はい!
徒荏
徒荏
それでは、今私が読んだものを、
見ながらで構いません、書いてみなさい
徒荏
徒荏
書けたら、前に持ってきて

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