第2話

(夢)生理でしんどい女の子と畑
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2020/12/06 05:10

夢主、たな、やふ、トマ、はじ、テツ


女の子が畑のメンバーにいるっていう設定です。
恋愛ではないつもりです。(出てこないけどたなっちに彼女います)

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あなた「はあ…」



今月も来やがったな。
健康体ってことなんだろうからいいんだけど、
それでもさ。
ナプキンが気持ち悪くて下半身が重いのは変わらんわけですし。

二日目と撮影日かぶらないで欲しかったな。
ていうか今日薬忘れたんだけど…頼むぞ子宮。



テツ「あなたさん?
   今日なんか元気ないっすね」


あなた「へ?そんなことないですよ〜」


テツ「じゃあ気のせいすかね」



テツヤはふうん、と半分納得したような顔をした。



テツ「僕は他の仕事あって抜けちゃいますけど、
   しんどい時はちゃんと休んでくださいね」



お母さんみたいだなあ、と思ってつい頬が緩む。
それに気づいたテツヤも笑った。



部屋を出ていく丸い背中を見送り、私は一人深呼吸をする。
いつも通りにしてるつもりなのに、人のことよく見てるんだなあ。
そんな優しい声で言われたら甘えたくなっちゃうじゃん。
いやまあ我慢しますけど。




その日もなんやかんやで撮影は進んでいった。


…私の子宮も徐々に暴れだした。

お腹痛すぎてぶっちゃけもうソファに座ってるのもしんどい。
何度も体勢を変えて気を紛らわせているけど、
なんならちょっと気持ち悪い。
勘弁してくれよ…



はじ「ねえあなた?ちょと大丈夫?」


あなた「なんでですか?」


はじ「体調悪そうだなーって思って」


やふ「あー確かに、無理しちゃだめよ?」


トマ「うわ顔色わっる、ちょっと休みましょ?」



トマトクンが私の顔を覗き込んで言った。
たなっちがカメラを止めて、気づけば皆こっちを見てる。

あー駄目だ、痛み的にも、もう誤魔化せないや。
撮影中断させちゃって申し訳無いな。

早く何か言わなきゃ、でも、何と言い出せばいいのかわからず黙り込んでしまう。



はじ「うーごめん、言い出しといて何だけど
   おいらそろそろ案件撮りに行かなきゃなんだ…
   ここ、任せても大丈夫そ?」


あなた「あっ私は大丈夫です、その、深刻なやつとかじゃないんで!」


やふ「お前やっぱりしんどいんやんけ」


はじ「すまん、じゃ行ってきます!」



他のメンバーや私は行ってらっしゃい、と言って見送る。
はじめさんの足音が遠くなってゆくのと同時に、また私は皆の視線を集めた。



やふ「さて、どうしよっかね」


たな「一応メインの企画は撮り終わったけど…」


あなた「えっと…」


やふ「早引けしてもいいけど、一人で帰れる?
   取り敢えず寝部屋行っとく?」


トマ「うーん、もうちょっと撮りたいしなあ、
   あ、うるさくはしないようにするけど」


あなた「すみません、じゃあ寝部屋行かせてもらっていいですか」



今帰るのは流石に無理、多分もうすぐしんどさがピークになる。
でもできるだけ邪魔しないようにしなきゃ。

よろけないようにゆっくりと立ち上がった。
やば、手が震えるみたいな、変な感じ。



たな「ん、じゃ俺一緒に行きますわ、
   あと撮影お願いしていいっすか?」


やふ「オッケー、頼んだ」


トマ「こっち終わったら行くね」


あなた「一人で平気ですよ」


たな「説得力無さすぎ、
   いいから、階段気をつけな」




手を支えてくれたたなっちは冷た、と声を漏らした。

なんとか寝部屋に辿り着き、私は毛布をかぶって寝転んだ。
隣に腰を下ろしたたなっちは心配そうに私を見ている。

寒いのか暑いのか、よくわからないけど冷や汗がすごい。
毛布の中で手と足だけが冷たくて気持ち悪い。


たな「やばい感じ?」


あなた「…そこそこ、ですかね」


たな「病院とか、行ったほうがいいやつだったり…」


あなた「あー、や、そのうち治るんで大丈夫です」


たな「原因はわかってるんだ?」


あなた「…」


たな「……あ、女の子…、の」


あなた「お察しの通りです…」


たな「いや、すまん!
   そりゃ言いづらいわな」


あなた「今日は薬忘れてしまって、…いけると思ったんですけど駄目でした」


たな「そっか…
   うん、諸々コンビニで買ってくるか」


あなた「え、でも」


たな「しんどいんやろ、我慢しなさんな」


あなた「あ、りがとうございます…」



たなっちが出ていき、寝部屋は静かになった。
話してたときはちょっと楽だったけどやっぱりきつい。

手足はずっと冷たいままだし、痛みが段々増してるような気もする。
楽な姿勢を探そうと何度も寝返りを打つ。


そうして静かにのたうち回っていると、たなっちが帰ってきた。
心なしか息が上がっているし、髪も乱れている。
何分経ったのかもわからないが、きっと走ってくれたのだろう。



たな「お待たせっ、薬飲めそ?」


あなた「はい、ありがとうございます」



そうだ水、水と言ってたなっちが汲んできてくれた水道水は温かった。
起き上がった私に毛布をかぶせてくれる。
そういう心遣いが嬉しい、だからこの人モテるんだろうな。



たな「あと貼るカイロね」


あなた「わあ、有り難いです」


たな「彼女に教わった」


あなた「惚気ですか」


たな「ふふ、まあね」



カイロをお腹に貼り、また寝転がった。
薬が効くまでは耐えるしかないけど、さっきよりはしんどくない。

カイロのおかげもあるし、隣に人がいてくれるってすごく安心する。
たなっちが肩をポンポンと叩いてくれるのを感じながら、私の意識は落ちていった。









目が覚めると、みんながいた。
各々スマホを触ったり、編集をしたりして、
…私を待ってくれていたようだ。


横を見るとたなっちと目が合って、彼は心配するような安心したような顔で微笑んだ。

私も大丈夫ですよと笑顔を返して起き上がる。



トマ「あ、あなた起きたあ」


やふ「大丈夫か?まだきついか?」


あなた「いえ、もう良くなりました」



その言葉は嘘じゃない。
あんなに冷たかった手足は温まり、お腹も痛くなくなった。

でも心は申し訳なさと不安で満ちていく。
そのうちまたこうやって迷惑かけちゃうのかな、情けないな。



あなた「あの、今日はすみませんでした、迷惑かけて」


やふ「しょうがないよ、
   …体調管理も仕事のうちって言うけどさ、
   あなたのそれは、さ、仕方ないやつじゃん?」


あなた「…」


たな「あ、あなたごめん、
   さっき問い詰められて話しちゃった」


あなた「それは大丈夫です、…ようへいさん、でも今回のは私の失敗だったので」


トマ「あなた、俺らも結構失敗してるじゃん〜」


やふ「飲み会の翌日のともたか大体やばいもんな」


トマ「失敗してもいいってわけじゃないけど、
   しょうがないってところはあるっすよね」


やふ「まあ、そういうことや。気にすんなって」


あなた「…私、男だったら良かったのかも」



急にたなっちに頭をはたかれた。
驚いて振り返ると、ちょっと怒った顔。



たな「俺らは今のあなたがいいって思ってるから一緒にいるんだよ、男だったらもっといいとかじゃねーだろ」


トマ「それのこと、ハンデだって思うかもしれないけど、あなたが女の子だから出せる良さってのもあるんだからね」


あなた「…そう、でしたね、ごめんなさい」


やふ「明日から薬常備しとくかー」


トマ「あーそれいいっすね」


あなた「えっそれはさすがに申し訳


たな「無くない!」


やふ「未来の後輩のためでもあるって思いなよ」


あなた「…わかりました」


たな「そういやもう8時ですよ、帰りません?」


あなた「えっもうそんな時間なんですか」


トマ「んはは、よく寝てたからねえ」


あなた「今日は本当すみませんでした…」



そう言った私に向かって、やふへゐ先生がチッチッと指を振ってみせた。



やふ「違うでしょ〜、おじさんはね、謝られるより感謝される方が嬉しいのっ」


トマ「ちょっとキメえっすね」


たな「それな」


やふ「なんてこと言うんだ!!!」


あなた「あははっ、そうですね」


やふ「あなたまで?!」


あなた「今日は、ありがとうございました」


やふ「…おうよ」


あなた「たなっちさん!」


やふ「そっちかい!!」


あなた「もちろんようへいさんとトマトさんも、ですよ」


トマ「どういたしましてえ」


たな「ようへいくんガチ照れしてんのウケるね」


あなた「滑稽ですね」


やふ「、、もう帰るっ」


トマ「あ、逃げた」


たな「俺らも帰りましょうや」


あなた「はい、帰りましょう」




それからも私の日常は変わらなかった。
皆、変に気を遣ったりせず今まで通り無茶もさせてくれる。

体力面とか色々、みんなに追いつけないところがあって悔しいのは変わらない。
でもこれからも、畑唯一の女性メンバーとしてできることをしていこうと、そう思えた。


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