私、あなたの2歳上の幼なじみ、坂田くん。
…そんな坂田くんは……高校を卒業して、今日 遠くに引っ越すんだ。
私は昔から坂田くんが大好きで、、
考えるだけで涙が出てくるんだ。
「よっ!あなた!どうしたんだよ?そんな顔して。」
「坂田くん……」
道端で坂田くんに出会った。
「お兄ちゃんみたいな存在がいなくなるから寂しいんか?笑 まだ時間あるやろ。
……でさ、…」
私は耐えきれなくて走り出した。
「っ?!おい!あなた!?」
私は鍵を閉めた自分の部屋の中に涙を流しながら、閉じこもっていた。
(チク…チク……)
お別れの時間まで後10分…
そんなとき。
(ピロリロリン ピロリロリン)
坂田くんからだ。
『外見て』
シンプルな一言。
「なんで外…?」
ベランダに出ると、
下には坂田くんがいた。
「あなた。話を聞いて。」
私は驚きを隠せなかった。
「俺…ずっと前から……
あなたの事が好きだ。
お前にとって、俺は兄ちゃんみたいだろうって思って……なかなか言い出せんかった。
また…絶対会いに行くから……
その時に返事聞かせてくれ。
その時まで、待ってる。」
「え…?」
信じられない。
私の目から、涙が溢れ出た。
返事なんて…もう決まってるよ……
……だけど…
「…うん…!うん……!!今までありがとう!!……待っててね!」
坂田くんに似合うくらい、大人になるから
待っててね。
涙をこぼしながら、そう、誓った。
-end-
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!