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12
2020/05/25

第3話

⑶ 囁く風





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「⑶ 囁く風」




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────風魔法『風速の息吹』





発動時一定時間身体能力が向上し、スピードを更にアップさせる


ライゼンデ
ライゼンデ
(…よしっ軽い。これなら逃げ切れる!)
ライゼンデの動きはまさに風。
突風のように速く。
誰にも捕まらないくらいに、速く。

兵士たちなど今のライゼンデの敵ではない。
追いつけない。

このまま逃げ切る。
ただそれだけ。


だが、ライゼンデは今いる場所に気付く。
────狭い。
狭い、異様に地形が狭いのだ。



ライゼンデ
ライゼンデ
……!ここは……路地裏!?しまった、誘導された…っ!

路地は狭い。
『風速の息吹』はただ能力アップで速くなる訳では無い。
地形が安定した一方通行のみ速くなれる。
この路地は狭く入り組んでいる為、走りすぎると壁にぶつかりスピードが遅くなる。

故に、ここでは『風速の息吹』は無意味。
そう悟る。

ライゼンデ
ライゼンデ
あっ…!……い、行き止まり……。
ライゼンデはそこまで街の地形を把握していない。
路地に誘われてしまえば自然と行き止まりにたどり着く。


コツコツ、コツコツ。
兵士たちの鎧や足音がこちらに近づいて来るのが分かる。

ライゼンデ
ライゼンデ
……ここまで…か…。
兵士たちが目の前に来た。
その中で1人の兵、
兵士長『オロネス・フィンネガー』が近づく。

ライゼンデ
ライゼンデ
(なるほど、やはり彼が兵を使って僕を路地へ誘導してたのか…。)
オロネス
ライゼンデ様、御屋敷に戻りましょう。国王様もお待ちしていらっしゃいます。
ライゼンデ
ライゼンデ
やだっ!僕は、祭りを楽しむんだ!オロネス、放っておいてくれ!!

悪足掻きのように等しく後ろへ少しずつ後ずさる。

無駄なのはわかっている。
だがこれは賭けだ。
僅かながら子供ならギリギリ通れる抜け道がこちら側にある…。
だけど……大丈夫なのか……?
腕を掴まれたら強制的に帰らなきゃいけn……。
??
………っち…。
ライゼンデ
ライゼンデ
(えっ?声……。)
??
こっち……。
ギリギリ通れる抜け道から、誰かに腕を掴まれた。
咄嗟のことで驚いたが、誰かに連れられるまま走る。
フードを深く被って顔はよく見えないが声色的に女の子だ。


兵士長のオロネス達は、遠回りして追いかけてくるようだ。
これで少しは時間が稼げる。

ライゼンデ
ライゼンデ
…あ、ありがとう。もう腕引っ張らなくても大丈夫だよ。
少女
…ん。

少女は腕を離してくれた。
名も知らぬ少女に助けて貰って少し恥ずかしい気もするけど…。

ライゼンデ
ライゼンデ
本当にありがとうね。助かったよ…。僕あんまりこの辺詳しくないから…捕まるところだったよ。
少女
……別に。
ライゼンデ
ライゼンデ
…因みに僕のこと知って…
少女
知ってるよ、王子様。
ライゼンデ
ライゼンデ
だよねっ!

当たり前だ。
僕の名は国中に広まってる。
別になりたくて王子になった訳じゃないけど。
自由に過ごせないのが、こんなにも苦しいなんて思わなかった。

あー。
帰ったらまた怒られる。
はぁ…とりあえず今は逃げる事に集中しよう。

ライゼンデ
ライゼンデ
…ねぇ、君…。名前、教えてくれないかな…?なんて呼べばいいかわかんないし…。
少女
………。お前に名乗る名はない。
ライゼンデ
ライゼンデ
…そ、そっか……。じゃあこの路地の出口まで案内はしてくれる…?
少女
……………。
ライゼンデ
ライゼンデ
(…えっ、無視ですか……。)

とりあえず彼女についていこう……。
とりあえず彼女なら出口を知っているような気がした。
ふと、彼女が立ち止まり、小声で何か呟いた。
何を呟いたのか僕には分からなかった。

そして、驚きは突然に現れる。


兵士
………ライゼンデ様ー!どこにいらっしゃますかー!
兵士
…お前馬鹿か、そんなに叫んでたら逃げて離れていくだろうが。
ライゼンデ
ライゼンデ
…?!
向こう側の壁から2人の兵士の声が聞こえる。
いずれこちら側にも来てしまうだろう。
オドオドし始める僕を見て少女はクスリと笑う。
おかしなおもちゃを見るような目で。

少女
大丈夫よ、彼らはアタシ達・・・に気付かないわ。
ライゼンデ
ライゼンデ
え?

彼女はそう言うけれど、足音はどんどんこっちに近づいてくる。
そしてやがてこっちに来てしまった。


あ。


『見つかってしまった。』



兵士
こっち、誰もいないっすよ?路地抜けたんじゃないすか?
兵士
そうだな、次はあっちを見て回ろう。
ライゼンデ
ライゼンデ
……?
そう兵士達が喋りながら離れていく。

えっと?
え?
もしかして……。
僕達見えてない??
少女
何ポカンってしてるの?言ったでしょ、気付かないって。
ライゼンデ
ライゼンデ
…どういうこと…?
少女
……。言わないわ、これ以上。
ライゼンデ
ライゼンデ
えっと、2度も助けてくれてありがとう。
ライゼンデ
ライゼンデ
もう、そろそろ出口だよね。本当ありがとう、お礼はまた………。
少女
は?何勘違いしてんの?
少女
ありがとう??馬鹿じゃないの?助けた訳じゃない。
ライゼンデ
ライゼンデ
…え?
少女は怒りに震えライゼンデを鋭く睨みつける。
深い憎しみのようにも感じる。
少女は被っていたフードを捲りライゼンデに言う。

少女
お前をここで殺す為だよ。


素早いスピードでライゼンデ間合いに入りツインテールの茶髪がふわりと揺れる。

初めて抱く、内側からの恐怖を。
少女のとてつもなく大きい殺意を。


─────本物の殺意を。
生まれて初めてその身で感じ取った。
死を。


少女
死ね……。


ナイフがライゼンデの心臓へ振り下ろされた。







to be continued……



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お久しぶりです。約3ヶ月ぶりですね!?

なんかコロナのせいで学校からの課題多いんですけど…?
726回の嘘執筆終わってないしヤバいし
‪(っ ॑꒳ ॑c)待って?

クトゥルフ神話TRPGも止まって…あー実卓音声聞き取りながら執筆効率クソ悪…。

ていうか友達ともう何ヶ月も会ってなくてボッチ感
でもね、いい事だってあったんですよ?



次も投稿予定は未定です。




次回予告((仮))
次回のセリフ集



『貴方は誰なんですか?』
『…私に続いて呪文を唱えて!』
『魔法発動!』
『…っなんで、お前…がっ!』
『………見つけた。』
『…なんでアイツばかり贔屓するの?』



「俺をきっと解放してくれると思うから。
…………なーんてね、嘘だよ。」




次回

『⑷ 嫉妬』