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第5話

ン 終
78
2021/02/19 09:00
嫌い嫌い嫌い、嫌いだ。
俺は俺をフったこいつも、こいつを恋愛対象として見るあいつも
俺以外全員嫌いだ。
「さっさと告ればあ?好きなんでしょ〜?」
「...ッ、許さない!如月くん、許さないからっ!!」
葵に睨まれる。
涙ながらに強がってもなんにも怖いことはない。
「葵...っ、」
「ほらほら早く〜!」
こいつを好きになったのは顔だ。
別にフられないだろうと、ずっと思ってたのに。
「...くそ」
「あのさ、如月蒼太...アンタなにがしたいわけ?」
脳に響いた音が俺の頬を叩かれた音だと理解した時には遅かった。
「...はあ?お前、おま...なにしてくれてんの」
焦りながらも口答えをする。
「うるさい、あんたこそうちの・   ・  ・葵になにしてくれてんのよ!」
「は、怒ってんの...」
唖然としながら煽りを繰り返す。
今なんつった?
うちの?
「...ははっ、独占欲の塊じゃん」
「りあ、りあ...」
こっちもこっちで、か
お互い様ならいんじゃね?
...許さないけど。
「はーやくっ、告りなよ。...早くさあ?」




























葵に目をやると、葵は泣いていた。
当たり前だよね。こんな状況だもん。
私が告ったら1番手っ取り早いけど。
「...は、独占欲の塊じゃん」
は?
気がついたら顔を叩いてて、気がついたら喋ってて
たしかに、独占欲の塊だよな。
「りあ、りあ...」
...葵。
「はーやくっ、告りなよ。早くさあ?」
なにを思ったか、如月蒼太はいつもより楽しそうに笑って
葵を抱きしめる力を緩めていた。
「...本当はこんな形じゃ嫌だったんだけどね」
「璃亜...?」
不思議そうに私の名を呼び首を傾げる。
...かわいい。
「葵、私と付き合ってください。」
純情ちゃん。終

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