病院
「1週間は激しい運動を避けてください。」
1週間もバスケとお別れか…
「はい。お気をつけて。」
「ゆんぎ君、今日はまっすぐ家に帰りなさい。」
「いいえ。あなたちゃんにも一言、言っといてあげなさいよ。」
先生にそう言って、俺は家に帰った。
スマホには、
あなた ゆんぎくん大丈夫??
あなた なにかあったら話聞くよ?
あなた 無理しないでね。
あなたからの通知。
なんて返したらいいかわからなくなる。
別にたいしたことない 送信
ゆんぎ 別にたいしたことない
なんて返したらいいんだろ…
来たってわかってからわざと1時間放置してよんだ返信。
ゆんぎくんは困っているはずなのに私は何もできない。
いつでも相談に乗るよ 送信
あなた いつでも相談に乗るよ
だめだ。あなたは俺に好意なんて持ってない。
自分だけ…はやとちりすんな
いつもありがと 送信
消去
ありがと 送信
送信
ゆんぎ ありがと
どういたしまして。 送信
また何かあったら言ってね 送信
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。