ゆっくりと家まで帰っていく
大きな交差点のところでツムギちゃんは
ハルの有名がなんとか〜ってやつ
聞くの忘れてた
ちょっとは落ち着いてまともに色んなことを
考えられるようになった
冷静になりながら1人で家までの
残りわずかな道路を歩く
すると、家の前でハルが立っていた
1冊の本を読んでいた
そういってハルは私にその本を渡してくれた
題名を見ると
「空の向こう〜虹がでるとき~」
と書いてあった。
真剣な表情で話を聞いてくれようとする
あぁ
久々にハルに慰めてもらうと
本当に泣きそうになる
目頭のところまで涙があがってきた
引っ込め〜!!!!
ダメだ
人目に付くのに全然涙が引っ込んでくれない
仕方ない
私は今ものすごく大胆なことをしてしまった
クラスの男子を自分の家の中に入れてしまった
ア"ア"ア"ア"ア"
お願い……引かないで
ハルのそういう素直なとこいいとこだと思う。
私とは逆だけど
そして、家に招き入れた
ガチャ
ガチャ
部屋を出る
すると
ドアのすぐそばの壁にもたれかかって
顔を手で覆った
とりあえずハルが待っているので
急いで階段を降り
冷蔵庫を開けた
1種類しかなかったら
「これしかなかったー」
で終わるのに
今日に限って
どうしてこんなにいっぱい……
嫌いだったらどうしよう……
迷う……
オレンジジュースをガラスのコップに
トクトクと注ぐ
異様に緊張する(((;゚Д゚)))
その辺にあった詰め合わせのクッキーを
4つお皿にのせて
ジュースを零さないように
ゆっくりと階段をのぼる
誰かを家に招き入れたのは多分
9年ぶりだ
そしてこれで3回目
同じ人が2回昔に来た
そして今。
招き入れた人両方男子
悲しい現実😢
女友達いないんですー。😢
ε-(´∀`*)ホッ
(*´∀`*)-3ホッ
ギックーーーン
ギックーーーーーーーーーーーン😱
なんでわかるの?
ハルってもしかして超能力者!?
すごくまっすぐな目で見つめられた
そんなこと今面と向かって言われても……
すごい
ホントによく見てくれてるんだな…
どうして?
分からない
なんで?
誰がって
そんな屁理屈みたいなこと言っても……
ハルが立ち上がり
私に向かって
手を差し出した
なぜだろう
ハルから応援してもらうと泣きそうになる
それに、不思議と元気が湧いてくる!
できるって今なら思う
ハルが着いていてくれるなら大丈夫☺
私はできる
あぁ。もうダメだ。
涙止まんないや。
ポロポロとこぼれた涙が
輪郭にそって地面へと落ちていく
こんなに他人の前で号泣したのは
いつぶりだろう?
忘れてしまうほど昔だ。
ハルは私を抱き寄せて
頭を撫でてくれた
そんなハルの背中をドンと殴った
ピンポーン
インターホンがなる音がしたので
私はすぐ下に降りた
人によっちゃこの状況かなりまずいから
階段をかけ降りる。
ピンポーン
もう一度なる
ガチャ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!