第38話

《僕がいる》
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2018/07/24 05:46
誰?


誰なの?


全く知らない


もしかして…
ツムギちゃん達?


違う!


ツムギちゃん達の字じゃない


誰?


誰の字?


『サラ先輩から告られた』?
男の子?
かずね
かずね
なぎくん!
なぎと
なぎと
かずね!?どーしたの?
慌てたのかのように急いで中に入ってきた
かずね
かずね
これ…誰?
なぎと
なぎと
かずね?覚えてないの?
そのといに対し私はコクリと頷いた
なぎと
なぎと
今から呼び出すよ…そいつ
かずね
かずね
……やだ……
なぎと
なぎと
なんで?
かずね
かずね
怖い……
どこの誰かもわからない人と会うなんて
なぎと
なぎと
言ったでしょ?
患者自信が病状を理解し,治療に自ら協力することが大事なんだって
かずね
かずね
でも……
なぎと
なぎと
怖いのはみんな同じ
でもかずねには僕がいるでしょ?
私はコクっと頷いた


泣きたい…


泣きたいのに…


涙が出ない


なぎと
なぎと
もしかして…かずね…
泣きたいの?
Σ(=ω=;)ギク…💦
かずね
かずね
うん……でも涙が出ないの…
なぎと
なぎと
笑って?
かずね
かずね
どうやって?
笑うってどうやるの?
なぎと
なぎと
ゆっくりでいいよ…
すぐもとのかずねに戻してあげるから
かずね
かずね
ありがとう
コンコン
つむぎ
つむぎ
失礼しま~す
もえ
もえ
かず!平気?
かずね
かずね
うん……思った以上に体は元気
うらら
うらら
病状はお医者様から伺いましたわ
あやめ
あやめ
かーたん…病気……
あやが治してあげるから…
かずね
かずね
ありがとう
みんなすごく優しい


病状とかを聞いてもいつもの通り接してくれる
もえ
もえ
ツムも何か言いなよ
するとツムギちゃんは


下を向いたまま私の前まで大股で歩いてきた


こっちを向いたその顔は泣いていた


つむぎ
つむぎ
なんで……なんで……?
ツムギちゃんは手を広げ


後ろに体を逸らしたあと


そのまま私の頬に手のひらをぶつけた
つむぎ
つむぎ
なんでこんなのになるまで放っておいたの!?アタシらってそんなに頼りない?困った時は頼れって何回も言ったじゃん…
かずね
かずね
ごめん
ツムギちゃんの真剣で真っ直ぐな


言葉に私は謝ることしか出来なかった
つむぎ
つむぎ
帰るね…今日塾あるから
かずね
かずね
うん
出ていったのと入れ違いになるように


またコンコンと音が聞こえた
かずね
かずね
どうぞ…入ってください

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