さっきおさまったはずの涙が
また出てきた
涙腺が崩壊してる……
あぁ。なぎくん……会いたかったよ。
低くてくせのある声……
お礼を言うと同時に、ぎゅーっと私にハグをした
ちょ……/////
なぎくん!!!!///
家に入ってもらう
過去に2度も入れたことがあるので
そこまで抵抗はない
さっき抱きしめられたとき
一瞬戸惑ったけど
イヤっていう感情が1つも出てこなかった
あぁ。私まだなぎくんのこと好きなんだな
涙目で階段をかけあがる
ガチャ
部屋に入ると
ハルが机の下に隠れていた
ガチャっとドアを開け外に出た
もういちどドアを開けた
私少しずつだけど
ハルに心を許し始めてる…
あぁ負けた
でも、不思議と悔しいよりも嬉しい
友達……
そう名乗っていいのかな?
照れながらニコッと笑う
口元にできるえくぼ
何も変わってない
いいや
すごく大人っぽく,そしてかっこよくなった
私より少し低かった身長も
今では私よりはるかに高い
さっきなんて
出会い頭に抱きしめられた
外国の挨拶……カナ?
あっちの癖?って言ってたし
いきなり言われて
少し恥ずかしくなったので
髪を耳にかけたり
目をそらしたり
手と手を合わせてみたり
少し落ち着きがない
こんな私のどこを見て
大人っぽくなったと言ったのだろう?
なぎくんのそういう
自分の気持ちを素直に伝えられるところ
羨ましかったし
好きだった
自分の部屋に戻ると
ハルは気持ちよさそうに眠っていた
1人になって緊張とけたのかな?
予想通り1時間も
かかってしまった💧
起こすか…
ガバッと起き上がった
キョトンとした顔でこちらを見つめて
まだ完全に起きてないのか
くぁーと大きく口を開けてあくび💤
子供みたい
自分の気持ちを素直に言ってくれるところ
なぎくんに似てる…
伸びをしながら私に聞いてくる
起きたばかりなのに
すぐ私のこと気にかけてくれるんだな
キューン♥
ちょっと待て!
キューンってなんだ!
ハルはただのクラスメイト
他になんでもないんだから!
アレ?私……もしかして…?
ホントに何も変わってない
見ためくらい?w
あぁ
甘え上手で
こいぬのような
キラキラした目でおねだりする所も
なぎくんそっくり……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!