次の日の朝
小鳥のさえずりが聞こえる
心地よい朝
1人でトーストを食べながら天気予報を見ている
今日の降水確率は60%だそう
こんなに綺麗に晴れてるのに…
一応傘持って行っておこう
朝6時45分家を出る
なぎくんの家のインターホンを鳴らす
断られるのはわかっている
しっかり心構えして……
ピンポーン
ガチャ
扉が閉まった
私と同じ高校の制服姿
なぎくんは靴を㌧㌧と鳴らしてこちらに来た
お母さん怒ってたっぽいけど……
よかったのかな?
家庭の事情かもだし
ふれないでそっとしておこう
爽やかイケメンスマイル!
やっぱりかなわない……
負けじと笑ってみる
朝からそんなこと……///
いきなり言われても……
こんなので卒業まで私もつかな?
恥ずかしくて死にそ…
急いで話を変える
8年前2人で並んで歩いた道
私の方が少し高かった背も
今ではなぎくんの方がはるかに大きい
見た目はすごく変わった
でも
あの時の笑顔
優しさ
それだけは何も変わってない
8年前を繰り返しているかのように
幸せな日
でも
釈然としない
嬉しいはずなのに
なぜか私の手を握った
ハルに昨日のお礼と有名がなんとかってやつ
話さないとなのに!
ちょっと!
手を握って私をはや足で引っ張る
なぎくん!
らしくないくらい下を向いて
大股でズンズン進んでいく
強い口調で彼の名前を呼んだ
なぎくんは
ハッと驚くように振り向き
手を離した
そう聞くと
俯き今度はそっと私の手を握った
顔を手でおおい
上を向いた
顔を耳まで真っ赤にして
まだ少し顔が赤いが照れるのを隠すかのように
笑った(´///•ω•///`)
教室に行くといつも朝は早めの
ツムギちゃんがいた
朝から元気いっぱいのツムギちゃん
バンド……
さすがにあそこまでキッパリ言っちゃったら
ツムギちゃんも諦めてるかな?
いまさらだけど言っていいかな?
迷いつつもハルに言われた通り
言ってみることにした
トテトテと走って行った
今私はやりきった…という充実感で満ち溢れている
あぁ言えた
言えたよ…ハル……
本題言ってないけど
私は覚悟を決めた
ハルに認めてもらった語彙力で
歌を書き
その歌を歌う
ギターなんてさっぱりわからないけど
ほかの子に教えてもらえばいい
私の書く歌は
私だけのモノなんだ
私にしか書けない歌詞
書いてみせる!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。