しかし、ここで変に断って噂を広められたら厄介だ。
ここは素直に好意を受け取っておくべきかもしれない。
でもこの人 .... 全部分かってこんな意地悪言ってる ...
通されたリビングは狭いながらもモダンなしっとりとしたインテリアで纏められていた。
テヒョンの家と内装は変わらないのだが、住む人間が違うだけで別世界になるもんだなぁと感心してしまう。
そう言われたテヒョンが物珍しげにキョロキョロとあたりを見ていると、彼がコーヒーを持って現れた。
彼からコーヒーを受け取りながら見上げると、男はふっと目を細めた。
テヒョンが感心しながら驚嘆の声をあげると、彼は嬉しそうに笑った。
おっと ... ちょっと白熱しすぎちゃったかな
眼鏡の奥の双眸が妖しげな光を孕んでテヒョンを見下ろしてくる。
あれ ... 何か 、雰囲気が変わって
突然わからない恐怖を感じてテヒョンは笑顔を貼り付けたまますぐに目を逸らした。
コーヒーを口にするが思ったよりずっと熱くて、動揺が隠せない。
早く帰った方がいいかもしれない。
今更そんな気になってきた。
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唐突に訊ねられてテヒョンは思わず口に含んでいたコーヒーを吹き出してしまう。
単刀直入な質問にテヒョンの頭は真っ白になった
続く
♡90
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。