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第7話

໒꒱·̩͙⋆.*・゚
200
2021/08/26 09:00
「えっと、有紗さん、こちらの方は?」


俺は20代前半と見られる真っ白い肌の美女の正体を有紗に聞く。


「明美ちゃんだよ」


マジすか。

有紗の友達ってんだったら、小2くらいかと思ってた。


「それで有紗ちゃん、聞きたいことって何?」


「んっとねぇ、明美ちゃんは今日のお昼何してた?」


「家にいたわよ。」


不思議そうな顔をする明美に有紗は無邪気な顔をして聞く


「本当に?おじさんとデートしてたんじゃなくって?」


有紗の言葉に明美は顔をこわばらせる。


「それは一体どういうこと?」


「んぎゃあっ」


背後を振り向くと、明美がスタンガンを持って立っていた___


「悟!!悟!!起きて!!」


有紗の声で目を覚ますと視界に入ってくるのは見知らぬ壁。どうやら椅子に縛りつけられているようだ。


「ん?ここどこ!?」


「悟、よーく思い出して」


えーと確かアリスの格好をした幼女に頭を蹴られて.....


「そうだ、明美の野郎にスタンガンでやられたんだ。」


「うんそう」と言った有紗はすぐに「ん?」と言う。


「違うよ。悟は明美ちゃんじゃなくて明美ちゃんのお母さんにやられたんだよ。」


ならば明美がいつの間にか背後にいたのも納得が行く。いや、明美では無いが___


「いや納得行かねぇよ!!」


なんで俺が縛られてんだよ!!このグッドルッキングガイが!!俺を縛ってああしてこうして動画に撮って恥ずかしい思いさせるつもりだろ!!この変態ッ!!最低ッ!!敵よッ!!女の敵ッ!!


「まあまあ、悟、落ち着いてよ。」


「落ち着けるかいッ、もっと早くいえやいっ!!」


「まあ黙ってたのは悪かったって。ね?説明するからチャラにしてよチャラに」


椅子に縛られつつも、有紗は毅然とした態度で説明をする。


「おじさんがさ、指紋がなかったって言ってたじゃん」


この場合のオッサンは警察のオッサンと言うことでいいだろう。


「で、有紗考えたんだよね。指紋が無かったってことは手袋をしてたってこと。でも、トイレに入っていきなり手袋をつけ始めたら怪しさ満点じゃん?だから有紗達には見えなかっただけでもとから手袋はつけてたってこと。普段から手袋をしていても変じゃないのはマジシャンくらいでしょ?でも女の人のマジシャンってあんまり見ないし、そんな感じの服じゃなかったでしょう?だから、日焼け対策用の手袋かなって。それで顔はお母さんじゃなかったから明美ちゃんだと思ったの。」


つまり彼女はこの日の為に毎日日焼け対策用の手袋をしていたという訳か。恐ろしい執念だ。



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