え?また来てる?……………そっか。
……………あいつら、なんでああやってアドニスちゃんを連れて帰ろうとするんだろ。
ケイト。大丈夫だから。
本当は、大丈夫じゃないけど。
………………大丈夫って………アドニスちゃんの大丈夫は、だいたい嘘でしょ?辛いんならけーくんの胸に飛び込んできな……なんちゃって★
……………ギュムッ
え?マジで?飛び込んできた?
………………
……………そっか。俺の前では、演技しなくていいよ。アドニスちゃん。
…………ッ………うるせぇ…………
よしよし。
……………アンタは………私の何がわかるのよ………………
俺は、アドニスちゃんのことは、知っているつもりではいる。けれど、本当は知らないのかもしれないね。
…………嫌い…………嫌い………ケイトなんて………大嫌い…………
俺は好きだから、アドニスちゃんのこと。
んなもの、他の奴にも言ってるんでしょ?
この好きは、アドニスちゃんだけのものだから、安心して
嘘だ…………嘘だ……………
嘘じゃない。けーくんが今までアドニスちゃんに嘘ついたことある?
うるさい………嫌い…………
俺は、アドニスちゃんのこと、大好きだから。
……………ケイト、アドニス、イチャイチャしてるところ悪いが………
ちょっとトレイくん!そこは空気読んでよ!
悪い悪い………アドニス、お前の母親達についてだが…
なに…………
………………アイツらは人間じゃないな。リドルも怒ってたよ。
「自分の子供を人間扱いしないで奴隷化させ、しかもご飯も与えないなんて人間失格だ!」ってリドルも怒ってたよ。
え…………普通じゃないの?
普通はないよ。そんなこと
でもな、あの親、相当のクズでな…………「自分のガキを奴隷にして何が悪い」とか、「アイツはキモイから一緒にいるとバイ菌が移るわよ」だの……………逃げてよかったな。
何その親、人間なの?
…………………
アドニス先輩!アイツらって本当にアドニス先輩の家族なんですか!?
…………………アイツらは……………なんなんだろう。
あれはっすね…………………人の形した化け物だろ。な?デュース。
そうだな。
あの大人たちなら追い出したよ。全く………………ハートの女王の法律を守らなかったから首を跳ねてしまいたかったよ…………
あの人たちには理性というものが備わってませんもの。当然です。
毒舌!?
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依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!