風磨 side
あの日、あなたちゃんに逃げられた日から
ずっと会えていない。
ありがたいことに仕事でいっぱいいっぱいなのと、
やっと行けても時間合わなかったり
この時計、渡したいんだけどな
松島 「 風磨くん、、この前はごめんね? 」
『 いや、言ってなかった俺も悪いわ 』
どうせなら、この時計も松島に渡してもらおうかな
『 なー、あなたちゃんてどこにいるか知んない? 』
松島 「 えっ、えっとねぇ、、 」
『 なに、隠し事なしで言ってよ 』
珍しく松島がモゴモゴしてる
松島 「 言っちゃうと、多分、避けられてますね、、 」
『 だよねぇぇぇぇ 』
前と同じ時間に行ってるのに、来ないし
水曜は絶対来ると思って一日中居座ってたのに
松島 「 でも、多分気になってるんだと思うよ。 何してんだろってめっちゃ聞いてくるもん! 」
『 もしさ、あなたちゃんがいいって言うんなら俺は迷惑じゃないから1回会ってって、言ってくれない? 』
『 渡したい物があって。 』
松島 「 うん、わかった。
てか、風磨くんてもしかしてあなたのこと好きなの? 」
『 えっ 』
松島 「 あれだよね、図書館に通ってた理由!
一目惚れでしょ!? 」
やばい 松島が恋バナモードに入った
『 まーまーそんなとこですよ!てことで、よろしく! 』
松島 「 え、ちょっと待ってよお!! 」
松島が交渉してくれるとして、
その前にこの時計直しておこうかね
N E X T ↱
ふ っ き る ,
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。