プルルルルルル
私は今、山田涼介に電話をかけている
どうしてこうなったかって?
それはね…
喜田くんにそう聞かれた
私は最初は
と誤魔化していたのに、夏帆が
なんてことを言うもんだから、誤魔化しようが無くなった
喜田くんは
と言った
それに対して夏帆が『あなた、電話番号知ってるでしょ?』と聞いてきた
未来の花嫁と言われるぐらいだから、当然電話番号を持っていると思われた
持ってるんだけど…ね?
どんな展開になるのか内心ビクビクしている
プルルルルルル…ガチャッ
コッソリと二人に言う
『友達に話したい人がいて』
又もや喜田くんに鞄のとき同様、スマホが取られた
喜田くんはそのまま勝手に電話にでた
二人は何の話をしているか分からないが、夏帆を見ると、ずっとニヤニヤして喜田くんを見ていた
喜田くんは〝ただの〟の部分を強調している
簡単に有名人だということを話した
まぁ、山田涼介も有名人だしね
うわぁぁぁぁぁ!それ、本人の前で聞く!?
やめてー!
夏帆は何かを察したかのように私のスマホを喜田くんから奪い取った
喜田くんが夏帆から取ろうとするも、サッと喜田くんをかわした
ん?私に何を?
山田涼介の声はボソボソとしか聞こえない
夏帆は電話を切った
そして、私にスマホを返してこう言った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。