そんなに凄い人だったなんて!
これは多分、クラス全員が思っているはず
先『この件に関しては、このクラス以外の人に他言無用でお願いします』
先生の一言にみんなは納得して頷いた
この普通の高校に有名人がいるとなると…校門には通れないくらいの記者達か押し寄せるかもしれないから
私が完璧に忘れていた事を聞いてくれた
しかし喜田くんは…
まるで、私と喜田くんは昔に会ったことがあるような言い方をした
私は初対面だと思うけど、実際には違うのかな?
これに関しては流石に親に聞かないと分からない&思い出せない
放課後
終礼が終わるとすぐに私は夏帆に教室から連れ出された
私は今日の昼休みに5時限目の課題をしていた
だから、夏帆は放課後まで聞きたいことをまとめていたらしい
今は夏帆と一緒に階段を2階分降りている
夏帆は私の手を取ったまま、まだ走っている
夏帆さんや…廊下は走ってはいけないよ?
ついた場所は、私は1回も言ったことがない空き教室
私も今の今まで知らなかった教室
空き教室がこんな所にあったなんて…
結構サボりの人が溜まるのかな?
その空き教室が位置する場所は、私達の教室があるところと対角上にある
廊下の蛍光灯は切れているのか、所々つかない電気がある
廊下にも、ここら辺の空き教室にも人の気配が一切ない
ガラッ
私達が歩いて三つ目の空き教室に入った
別に、一つ目でも分かりはない
しかし、夏帆は真っ直ぐに三つ目の空き教室に足を踏み入れた
他の教室は、廊下から見てもthe空き教室って感じだった
しかしこの三つ目の空き教室だけはソファなどがあってきちんと整頓されていて、テーブルの上には最近食べられたであろうポテトチップスの袋や缶ジュースの空が散乱していた
こんなにいい場所が学校にあったなんて…!
今度からサボる時はここ使おうっと
今のところはサボる予定は無いけどね笑
夏帆はソファに座ると反対のソファに私に座るよう促した
まるで事情聴取のよう
完全下校の時間までまだまだある
さぁ、事情聴取という名の質問の始まりだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。