第2話

# 02
2,032
2018/09/14 12:00
目が覚めるとそこは保健室。


静かだ。
ベットから降り、カーテンを開ける。
先輩も、先生も誰もいない、私だけだった。



ふと、今朝の事を思いだす。



好きな人に助けてもらった。

好きな人におんぶしてもらった。

好きな人の匂いを嗅げた。



自然と笑みがこぼれてしまう…。
月雲 心穏 (つくも しおん)
月雲 心穏 (つくも しおん)
お礼言わないと…ふふっ


ー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ー





昼休み、食堂で先輩を見つけた。
月雲 心穏 (つくも しおん)
月雲 心穏 (つくも しおん)
あ、…あの

友達 「 亜煌〜、こっちこっち!! 腹減ったから早く〜 」



タイミング悪く、先輩の友達と声が重なる。


私はその場から離れ、遠くのテーブルに移動する。

日神 亜煌(ひがみ あきら)
日神 亜煌(ひがみ あきら)
っ……? 
日神 亜煌(ひがみ あきら)
日神 亜煌(ひがみ あきら)
…今行く、

先輩は不思議そうに振り返ってキョロキョロしていたけど、すぐ友達の方に行ってしまった。


運が悪かった。それだけ。


次の機会を見計らおう。


“ とりあえず撤退 ” “ 慎重に偵察 ”


先輩が買ったのは親子丼。


私も今度から親子丼を頼もうかな、なんて…


口いっぱいにご飯を食べるところ。


友達と会話して、くしゃと笑う横顔。
好きです…。



ー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ーー♡ー



パッ…と、目があったような気がした。


でも、一瞬。

“     視線気づいてる?     ” “     気づいてる?     ”

私の後ろにある時計を見たのかもしれない。


私の周りに先輩と仲のいい人がいるのかもしれない。


それとも…、、? 期待しちゃうじゃん。
先輩はすぐ友達の方へと顔を戻す。


“ まだバレてないか ”

もう時間が来たのか先輩は友達と食堂から去って行く


また、先輩の視線が私に向いてくれないかな…。


早くお礼、言いたいな…。




“ 少しだけ待ってて ” “ 待ってて ”
月雲 心穏 (つくも しおん)
月雲 心穏 (つくも しおん)
ねぇ…じっとしていてよ(ボソッ)

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