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第3話

学校が終わると、足早に優希の家へと向かった。
優希
優希
どした?そんなに慌てて…
優希
優希
ちょうど実恋ん家行こうと思ってたとこ。
あ、迎えに来てくれたんだ?
玄関で出迎えてくれた優希は、至っていつも通り。


何も考えていない、呑気な様子に腹が立った。
実恋
実恋
光希くんのこと…どうして嘘ついたの!?
静かな玄関に、怒り混じりの私の声が響き渡った。
実恋
実恋
光希くん、彼女はいないって言ってた…。
優希
優希
あーあ。もうバレちゃったか。
実恋
実恋
…っ…!?
何なのよ、その言い方…。


特に悪びれる様子もない優希の態度にムッとした。
優希
優希
少し、からかっただけだよ。
優希
優希
実恋の反応が面白いから。
実恋
実恋
最低…。
優希
優希
てか、何で怒ってるわけ?
優希
優希
兄貴に彼女がいない方が、実恋にとって好都合だろ。
…確かにそうだ。


光希くんに彼女がいないと分かった今、本来なら喜ぶべきはずなのに…。


それに、優希のこんな意地悪なんて昔から日常茶飯事。とっくに慣れていたはずなのに、怒りやモヤモヤがおさまらなかった。


一体私は、何に対してこんなに苛立ってるんだろう…。
実恋
実恋
(そっか、私…。)
実恋
実恋
(嘘をつかれたことがこんなにもショックなんだ…。)
優希は私のことが嫌いなの…?


だから私が傷つくような嘘をついたの…?


優希が嘘をついたという事実が悲しかった。


こんなに胸が苦しいのはどうしてだろう。


私、もしかして優希のことーーー…?


ううん。これ以上は、考えちゃダメだ。気持ちをぎゅっと心の中に押し込めた。
優希
優希
悪かったよ。
優希がぼそっと呟いた。


私は目を合わせられなかった。
優希
優希
俺はバカだな…。
優希
優希
そんな表情(かお)させたかったわけじゃないのに。
優希
優希
俺……実恋が好きなんだよ。
実恋
実恋
…っ!?
何……それ……。


これも嘘?また悪い冗談?
優希
優希
2人が両思いだってこと、俺、本当はずっと前から知ってた。
優希
優希
兄貴、弟の俺から見ても格好良いし完璧だし、俺なんか勝ち目ないじゃん?
優希
優希
だから、2人が付き合わなければいいと思った。阻止したくて、嘘をついた。
優希
優希
実恋を傷つけたこと、悪いと思ってる。ごめん……。
本当……なの?


本気で優希は私のことをーーー…?


まるで思考が停止したかのように、頭がついていかない。
優希
優希
この1週間、実恋と過ごせて、実恋が作ったチョコ食べて、今までで一番幸せだった。
優希
優希
実恋のトリュフどんどん美味くなってた。
兄貴に渡したら、きっと喜ぶと思う…。
優希
優希
実恋、今までありがとう…。
実恋
実恋
ちょ…優希…待っ…
優希
優希
ごめん。1人になりたいんだ。
バタン、と玄関の扉が閉まる。


玄関の前で、私は1人呆然と立ち尽くしていた。
幼なじみだから、優希のことなら何でも知っていると思っていた。


だけど優希の気持ちに、私は全然気づいていなかった。


肝心なことに、私は鈍感だった…。


バカなのは私のほうだ…。
そして、私は自分自身の本当の気持ちを、この時初めて確信した。


今まで自分の気持ちにすら、気づくことができなかった。


私が本当に好きな人はーーーーー…。
*


そして、2月14日がやって来た。


あの日から優希とも光希くんとも一言も話せないまま、バレンタインデー当日を迎えた。


だけど、私の心の中には“ある決意”が固く刻まれている。


サブバッグの中に詰めた本命チョコレートはまるで、揺るぎない気持ちの象徴のようだった。



今日の教室は、妙にざわついていた。


友チョコを配るクラスメイト、誰かから貰えるだろうかとソワソワしている男子達、本命チョコを渡す女子達…。


それぞれが様々な思いを胸に秘めているようだった。

光希
光希
実恋ちゃん…ちょっといいかな。
実恋
実恋
光希くん…
放課後、教室の前で光希くんに呼び止められた。


それに気づいた光希くんのファンの女子達がキャーキャーと騒ぎ始めた。


流石は学園の王子。
光希
光希
場所…変えようか。
光希
光希
話したいことがあるんだ。
実恋
実恋
ん…わかった。
私達は、空き教室へと移動した。


誰もいない教室に、光希くんと2人きり。


気まずい空気が流れる中、光希くんはラッピングされた小さな赤い箱を私の前に差し出した。
実恋
実恋
えっ…?
何?これ…


頭の中に疑問符を浮かべていると、光希くんが口を開いた。
光希
光希
俺さ…昔からずっと実恋ちゃんのことが
好きだったんだ…。
実恋
実恋
…っ
光希
光希
これは、俺からの気持ち。
光希
光希
逆チョコ…受け取ってもらえるかな?
実恋
実恋
逆チョコ……
光希
光希
逆チョコって、外国では定番だよね。
光希
光希
この方が気持ち、伝わりやすいかと思って…。
逆チョコという発想が、優しい性格の光希くんらしいと感じた。


きっと、私を喜ばせようと用意してくれたのだと思う。


昔から変わらない、光希くんの思いやりに胸が痛んだ。
実恋
実恋
ごめん…受け取れないよ…。
実恋
実恋
私…優希のことが好きなの…!